オハ35系の保存車輌 3
− 高原のSLホテル −

 それは軽井沢から車で東京へ帰る道中のことでした。 当時、関越自動車道は練馬〜東松山間の部分開業に留まり夏場の軽井沢往復では 高崎市内の国道17号と18号の分岐点での渋滞が必須科目となっていました。 そんな訳で急遽ルートを変更し、小海線・中央本線に沿って帰ることにしたのです。 高原の爽やかな国道を快調に南下していくとSLホテルの姿が目に入りました。 客車ファンを自称しながらオロ80との対面はこれが最初で最後のことでした。







C5696+オロネ102016+オロネ102071+
オロ802008+オロネ1069+オロネ1028

 オハ80・オハフ80は盛岡のスハ88(→スロ88 トップナンバーアルバム参照)に続く 団体用お座敷客車として昭和44年5月にオハ35・オハフ33から各3両が改造され名古屋に 配置されましたが、好評につき翌年3月にはオハ80が2両増備されました。 更に10月にはオハ80が3両、オハフ80が1両増備され、オハ4両・オハフ2両の6両編成が 名古屋と長野に配置となりました。この時から窓下には幅250mmのクリーム色1号の帯が 入れられています。
 昭和47年にはスロ62を改造したスロ81・スロフ81が登場、オハ80・オハフ80も定員を 減らしグリーン車に格上げとなりましたが、昭和49年にはスロ81・スロフ81が 名古屋・長野にも配置され、オロ80・オロフ80は5年余りの活躍で短い生涯を閉じたのです。 ここ野辺山のSLホテルのほか、沖縄のSLホテルにも車体が活用されましたが、 残念ながらどちらも現存しません。尚、先頭のC56 96は現在も銀河公園内の 野辺山原歴史民族資料館で保存されています。




オロ80 2008(←オハ80 2008←オハ35 1192)     昭和52年7月23日