1年間続いたこの連載も最終回になりましたが、 今回はこのレイアウトを走る車輌や運転などについて書きたいと思います。 A. 車輌
その殆どは組立キットや完成品を購入したもので、 工作の大半は13mmに改軌することに集中しました。 高校時代にノーブルジョーカーのメンバーに13mmをやろうとそそのかされて以来、 これまでに上記のうち270輌余りを13mmに改軌しました。 当初、線路は木製道床付き線路をスパイクし直してレール幅を狭くし、 車輌の方は打ち込み車輪のものは車軸に叩き込み、 ネジ込み車軸などは一旦切断後パイプでつなぎ、 また動力車はインサイドギアやダイカスト製のギアーボックスの幅を詰めたりと、 かなり手間が掛かると同時に精度はもう一つでした。 しかしシノハラから13mmフレキシブルレールやポイントが発売され、 さらにスパイクモデルから各種車輪やセンターベアラー等が、 さらにエンドウからも13mmの電車用や機関車用のMPギアーが発売されるようになり、 改軌は一部の車種を除きかなり容易にできるようになりました。 今後とも13mm関連のパーツが安定的に供給されることを メーカーの皆様に切にお願いしたいところです。 現在は信越線で活躍した約150輌の車輌がこのレイアウト上を交代で快走しています。 主な車輌は以下の通りですが、改軌に際しては箱物の動力車はMPギアー、 車輪はスパイクモデル製と一部ニワモデル製を使用、また多くの台車は日光モデルの製品に交換し、 購入時に軸受メタルが付いていなかったものはこれを埋め込み、 軸受には長期間補油する必要がないようグリースを使用しています。 編成ものの動力車の割合はMPの場合、レイアウトのカーブ・勾配区間、消費電流等を考慮し、 概ね1M3T〜4T程度を目処としています。信越線を走る車輌は碓氷峠の関係で特殊なものも多く、 ぴったりの形式の製品が発売されていない場合は極力形態の似ている形式を 一部改造するなどして配属しました。一部の車輌は室内設備がなかったり、 レタリングが未済であったり、ウェザリングが施してなかったりで、 まだまだやることが残っています。 1.未電化・アブトの時代
[蒸気機関車]
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2.碓氷新線・電化以降
[電気機関車]
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B.運転
現在はダイヤによる運転にまでは至っていません。以前にも書きましたように、 現時点では駅構内の転車台などがないこととED42が未改軌で入線できないため運転が やや単調になりがちですが、EF63の連結・解放などで少しでも変化を付けています。 また本線上を走らせる際にはスケールスピードでの運転を心がけています。 ていねいに線路の敷設を行った甲斐があり、車輌の整備をきちんと行っておきさえすれば、 テスト運転でフランジの低いスパイク製の車輪の車輌をかなりのスピードで走らせても 脱線することはまずありませんが、やはり景色の中をゆったり走らせるのが正解のようです。 |
C.最後に このレイアウト製作に取り掛かってから既に17年も経ってしまいました。 この間、気が向くと造り、興味が離れると何年間も運転だけを楽しんでいました。 とくに駅部分がほぼ完成した後、 2001年始めにJAMに出展することが決まるまでの10年間ほどは製作が中断していました。 やはり身内だけでなく、第三者にご覧いただくということはやる気に大いに影響を与えるようで、 それからの2年半は大きく進み、 ほぼ現在の形になりました。やはり何かきっかけがないと普通の人間には集中力を保ち続けるのは難しく、 またその気になれば自分で思っている以上に頑張ることができるものだと改めて感じた次第です。 このレイアウトの製作を始めるまでは、 高校の文化祭で初めて固定レイアウトの製作に関わった以外はご他聞にもれず車輌一筋でした。 その間TMS等ですばらしい固定式レイアウトを見ていつかは自分の手でと思ってはみたものの、 やはり設置場所等の問題は解決できず、 意を決してシーナリー付の組立式レイアウトに挑戦することになったのは連載第1回で述べた通りです。 実際始めてみると分からないことの連続でしたが、諸先輩の製作記事や実物の資料をできるだけ多く集め、 試行錯誤を繰り返しながら何とか完成に近づくことができました。 レイアウトの製作は車輌と違い、走行関係の部分を除いてある程度大雑把で良く、 年齢を重ねるに従い衰える目や手先の動きを考えても、こちらの世界へ入って正解だったと思います。 もちろん車輌自体の魅力は変わりませんが、 懐かしい車輌が思い出深いシーナリーの中を走る姿を見ることが私にとっての 鉄道模型の究極の姿のような気がします。いずれにしても鉄道模型は奥が深く、 これを趣味に持ったことは大げさに言えば人生を豊かにしてくれたものと感謝しています。 またこの趣味を持ったおかげで多くの友人に恵まれたことも大きな収穫でした。 既に述べた通り、このレイアウトの製作を開始してから長期間経っているにもかかわらず 未だ完成に至っておらず、また技法的にもとくに独自のものもなく、 殆どはかつてTMS誌上等に発表されていたものでありお恥ずかしい限りです。 唯一多少目新しいものとしては「組立て式シーナリー付きレイアウト」と言うことでしょうか。 組立て式ということで制約は色々ありましたが、 一応組立て式であってもある程度のシーナリーやストラクチャーの設置は可能であることが分かりました。 今後も少しずつ完成に近づけて行きたいと思います。この連載を読まれて、 1つでも多くのレイアウトが生まれるきっかけとなれはこの上ない喜びです。 1年間の長期に亘りお付き合いいただき、ありがとうございました。(2005年8月 M.F) |