カツミ模型店
上記のような背景の中で1961年(昭和36年)安達製作所が製作しカツミが発売した
シュパーブラインのD51はそれまでの常識を覆す画期的なスケール感・精密さと構成で、
一気に日本型蒸機模型のレベルを引き上げたのでした。
私たちも当時の価格としては破格の\7,150(未塗装組立キット)をはたいて購入、
その出来のよさは大げさに言えば当家の宝となるに十分でした。
その後シュパーブラインは1960年代を通じてC62・C53・C57・C55・D52等を発売し、
日本型の高級蒸機の代表製品となって行きました。
1966年(昭和41年)にはシュパーブ初のバラキットとしてC12が発売され、
カツミ主催の組立てコンテストが開かれたことをご記憶の方もおられると思います。
カツミは1963年(昭和38年)には初めての箱物としてキハ82系の発売を開始、
その出来は従来の他社製品より風格があり、美しい塗装もあってファンに好評を持って迎えられました。
同社は1960年(昭和35年)からこれも安達製作所製作による良質のED70を販売していましたが、
1964年(昭和39年)にはEF70やEF60の発売を開始、電機でも市場で存在感を持ち始めました。
1960年代も半ばになると編成物が多く発売され、
20系客車や103系・111系・165系・581系などはモハを二個モーター化するなど確かな走行性能もあり、
運転会の花形として好評を博しました。
シュパーブ製品は形式により1960年代終盤には入手が難しくなりましたが、
1967年(昭和42年)には普及品としてダイヤモンドシリーズのC62とC59が発売されました。
高級仕様の蒸機に慣れてしまった目には物足りなさを感じましたが、
廉価であり多くのファンに喜ばれました。天賞堂が完成品のみという路線を取ったのに対し,
カツミは機関車や82系などの製品においてキットを販売していたのは価格面でもありがたく、
また入門者には模型の構造を知るうえで役立ちました。
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