頸城鉄道の名脇役たち(4)
−除雪車−

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 頸城を語るのに欠かせない要素として、「雪との戦い」がある。日本有数の豪雪地帯である頸城平野で、この小さな鉄道が昭和42年まで生き延びることができたのも、雪に閉ざされて他に交通手段が無い中で、鉄道だけが住民の足を確保してきたからであろう。

 昭和30年代まではコッペル2号機に、それ以降はDC92 や十勝鉄道から移ってきたDC123 に推進されて、冬期間の鉄路を確保してきたのがロータリー車ロキ1とラッセル車ラキ1である。 共に2軸の有蓋貨車からの改造で、軽便らしいこぢんまりとした除雪車だ。
 ラキ1は本線上の、ロキ1は駅構内の除雪を受け持ったようだ。



  − ラキ 1−  


「ラッセル式除雪車」ラキ1は昭和26 年自社改造。ロキが形式ワ1(自社発注組)を種車にしているのに対し、ラキは形式ワ2(国鉄からの移籍組)を種車としている。(短く、高く、狭い)


ラキ 1
 ロキ1に比べると車体の改造箇所が多い。 屋根はそのままに、側翼格納のため車体幅を縮め、前端は翼に合わせてさらに絞っているためやたら細長い顔付きになった。
 雪の圧力に対抗する推進力を受け止めるため、後部の連結器周りには補強が施されている。
 窓も多く、ドア周りも大きく改造されているので、屋根を除けば貨車らしさの残っていない本格的なラッセル車に仕上がっている。









車輌竣工図




  − ロキ 1−  


 「ロータリー式排雪車」ロキ1は、昭和27年10月、有蓋貨車ワ12(形式ワ1:自社発注組)を改造して自社工場で作られた。
 一端に直径1.8mの羽根車を備え、車内にはこれを回転させるキャディラック製のV8エンジンがデンと居座る。車内の前端には運転席を備えるが、前面には窓もなく、側面の窓から顔を出して運転していたのであろうか?
 床はエンジンの他に大きなバッテリー、ウエイト代わりの砂利が入った麻袋、コンクリートブロック、鉄パイプなどが置かれ、足の踏み場もない。
 外観はロータリー部を除けばほとんど原型のままだが、ブレーキ装置は撤去されている。


ロキ1−百間町にて
ロキ1のサイドビュー
ほぼ原型の後ろ姿


ロータリー部のアップ
ロータリーの取り付けステー
線路とのクリアランスは最小


車輌竣工図