頸城鉄道の名脇役たち(1)
− ボギー客車 −

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 路線短縮後は貨物輸送が廃止され、貨車たちは出番がなくなり、新黒井駅跡に放置されていた。客車はボギー車たちが廃車を免れたものの、ほとんど出番はなく、百間町駅、飯室駅の構内で体を休めていた。
 ホハ2は、大正3年7月生まれの木造ボギー客車で、製造は日本車輌製造。762mmの軽便鉄道の客車としては比較的大型で、頸城鉄道の開業に際して3両新製(ホハ1〜3)されたうちの1両。この3両のうち、ホハ3は気動車(ホジ4)に改造された後、昭和27年に客車に復元されてホハ5となった。ホハ1は車体に鋼板を張られたが、ホハ2は最後まで木造車体を残し、良く原形を保っていた。大正期の日車の客車の格調高い姿を我々に伝えてくれた。



ホハ2 百間町にて
ホハ2竣工図

手ブレーキ側のデッキ
手ブレーキ側の正面
大正3年製造とは思えない

上の写真と反対側の正面


アーチバー台車
凝った作りのデッキ周り