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電鉄富山駅で出発を待つ、モハ17481(デハ8592) +モハ17482(デハ8692)。 車体帯は大井町線時代から変更されていません。 雪が降る冬に備えて、屋根上のクーラーの排熱口は塞がれています。
2015年11月15日 電鉄富山駅

車両基地である稲荷町テクニカルセンターへ戻ったモハ17482 + モハ17481。
2015年11月15日 稲荷町テクニカルセンター

以前、掲示板に載せたことがありますが、このような並びをみることが出来るのも、 各大手鉄道会社より移譲を受けた富山地方鉄道だからです。 写真は、モハ17481と元京阪のモハ10033です。
2015年11月15日 稲荷町テクニカルセンター


 私は地方私鉄が得意ではなく、富山地方鉄道もいまだ乗ったことがありません。 しかし、近年になりはまっている架空鉄道の北都電鉄は、 国鉄の接続駅と温泉地、スキー場を結ぶ路線を想定しています。 この設定に近い私鉄には富山地方鉄道と長野電鉄があるな、 と思っているので、空想を膨らますためにも乗りに行かないといけませんね。
 今月の友情出演は、そんな富山地方鉄道で活躍する元東急車をご覧ください。
(2022年5月 H・T)
 東急電鉄各路線を走った車両は、東急から引退しても地方の鉄道でまだまだ活躍をしています。 今回は、富山地方鉄道で活躍する元8590系だった17480形です。
 日本の鉄道車両として初めて航空機の強度解析に使われるコンピュータ解析による車体設計で強度と剛性を保ち、 従来より2t軽量化された車両が1980年(昭和55年)より東急東横線の通勤車両8090系として営業を開始しました。 この車両、ひずみ防止用のコルゲートを無くしたため、車体上部を内傾させ、裾も絞り、 なんとなく「青かえる」こと初代5000系に似たフォルムには親しみを持てました。 1980年に、東横線に投入された当初は4M3Tの7連でしたが、M車を増結し5M3T、8連となりました。 その後、東横線は横浜駅〜桜木町駅間を廃止、 横浜駅〜元町・中華街駅まで地下を走る横浜高速鉄道みなとみらい線と直通運転を行うこととなりました。 そのため、8090系は、非貫通だった前面を貫通式にして、さらにM車比率を5M3Tから6M2Tとすることになり、 制御電動車のデハ8590形とデハ8690形の2形式を1988年(昭和63年)に製造し、 先頭車の差し替えと編成組み換えが実施されました。 それ故、8590系としては、制御電動車しか存在せず、中間車は、8090系のままです。 その後、8590系は東横線のダイヤ改正で運用が減り、2編成が田園都市線に転用、 東横線に残った編成も5050系投入で5連化、大井町線へ転出しました。 大井町線では、2012年(平成24年)、1本と2013年1本が運用を外れて、 デハ8590形とデハ8690形が富山地方鉄道へ譲渡されました。 さらに、田園都市線で活躍していた2編成も運用終了し、2019年に富山地方鉄道へ追加譲渡されています。
 富山地方鉄道は、電動車の形式番号を5桁で表し、上3桁は電動機出力(PS:馬力)、 下2桁で形式を表示する独特の付与体系を持ち、17480形へ生れ変わりました。 なお、「モハ」は1500V鉄道線、「デハ」は600V軌道線で付与しているようです。 富山地鉄では東急で解体されたトップナンバーデハ8591、デハ8691以外の8両を受領、 現在全車が稼働中で電鉄富山駅〜宇奈月温泉駅の本線などで「普通」として運用されています。
 ところで、富山地方鉄道は、2022年4月17日のダイヤ改正で一部特急列車が運休となりました。 コロナで観光客が減少したためですが、早く復活することを祈っています。
(2022年5月 T・O)