トップナンバーアルバム

真新しいササラ(竹製ブラシ)を取付け、待機中の雪1。 短い台車が特徴です。
2008年11月15日 札幌市交通局電車事業所 車両センター

これが竹製ブラシの「ササラ」です。
2008年11月15日 札幌市交通局電車事業所 車両センター


 路面電車の除雪車といえば札幌のササラ電車ですね。 私はササラ電車を東京でしか見たことがありません。 江戸東京博物館で都電の特別展がありましたが、 都電の血をひいているとのこと、 函館の排4が運ばれて展示されていました。
 今月の友情出演は、札幌の雪1をご覧ください。
(2018年10月 H・T)
 10月中旬をすぎると、北海道の山岳地帯や富士山などから雪便りが届きます。 今回のトップナンバーは、降雪があると活躍する札幌市電の排雪車、雪1形雪1です。 この車両の種車は、単車で木造の電動客車40形でした。 1949年(昭和24年)に8両が誕生しています。 排雪車化で、ブリル79E台車の枕バネを撤去して、長さ1,524mmに縮めています。 1969年(昭和44年)〜1970年(昭和45年)には、鋼製車体となりました。 現在、雪1〜3の3両が現役です。 なお、雪4は雪10形雪11へ再改造されました。 また雪8は木製車体のまま札幌市交通資料館に保存されています。
 除雪の仕組みは「ササラ」と呼ぶ竹製ブラシを連ねたブルーム(箒) を回転させながら軌道面に圧接し、排雪しながら走行します。 これは、路面電車特有の除雪方法です。 一般の鉄道は、ラッセル車やロータリー車ですが、併用軌道では、 雪が踏み固められ氷結してしまうため、 軌道敷表面まで排雪が出来るこの方法が開発されました。
 札幌電気軌道(札幌市電の前身)では、 1925年(大正14年)にササラ電車を実用化し基本的な仕組みを変えることなく、 今も排雪作業を行っています。
 函館市電でも、このササラ電車は在籍していますが、 こちらは自動車による排雪が主体で出番が少ないようです。 札幌市電は頻繁に運転されるので、機会があれば、 排雪しながら走る姿を見てみようと思っています。
 なお、札幌市電は個人でも電車事業所見学が出来ます。 ただし、雪の影響がない4月1日〜11月30日(11時〜15時)です。 親切に案内をしていただけますので、 札幌へ行かれた方は立ち寄り、車庫に眠る排雪車を見てみるのも一計です。
(2018年10月 T・O)


雪10形雪11も留置されていましたが、まだササラは未取付けとなっていました。
2008年11月15日 札幌市交通局電車事業所 車両センター

江戸東京博物館に展示されていた函館の排4です。 車内の駆動メカニズムも間近で見ることができましたが、 なにしろ狭い場所でかなりの広角でないと全体が撮れませんでした。
2011年8月28日 江戸東京博物館   撮影:H・T