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久慈駅で入換作業中の36-601です。
2008年1月11日 北リアス線運行本部


 少子高齢化、日常の足は自家用車などローカル線を取り巻く環境が厳しくなっている中、 「観光」が地域を元気にするキーワードとして注目されていますね。 連続テレビ小説で「じぇじぇじぇ」が人気となった三陸地方ですが、 今も観光客が多いそうで何よりです。
 今月の友情出演は、 早くから観光客誘致に取り組んでいる三陸鉄道の二代目特別車をご覧ください。
(2019年9月 H・T)
 三陸鉄道は、通学などの生活路線で地域住民の大切な足ですが、 観光路線としての顔もあります。 そのため、三陸鉄道では1989年(平成元年) に開催された横浜博覧会で運行された新潟鐵工所製の軽快気動車「汐風号」と「浜風号」を、 博覧会終了翌年の1990年に購入、トイレ設置などの改造を行い、 観光列車「おやしお」(形式は36-301+36-401)と「くろしお」(形式は36-302+36-402) として運行を開始しました。 なお、購入資金は、株主である岩手県が支援しました。 この車両は、二重屋根の路面電車風のレトロ調デザインが特徴でした。 しかし、老朽化が進んだこと、他車両と併結が出来ず「おやしお」が2004年に、 「くろしお」が2006年に廃車されました。 その後継車両として登場したのが、2005年(平成17年)新潟トランシス製の36-600形36-601です。 愛称は「さんりくしおさい」となっています。 三陸鉄道初の20m車で、36-300形・400形と同じく二重屋根で、内装は壁と床が木目調、 照明にシャンデリアと壁灯を用いたレトロ調のデザインを採用しています。 翌2006年には、もう1両36-602を増備、主に北リアス線で定期列車や団体列車、 企画列車として運行されています。 企画列車で山田線宮古〜釜石を通り、南リアス線まで運転されたこともあります。
 しかし、2011年3月に東日本大震災が発生し、三陸鉄道も大きな被害を受けました。 その復興策の一つとして、2014年(平成26年)クエートからの支援で、 南リアス線用に新たなレトロ調車両として36-R3が誕生しています。 外観は同時期落成のお座敷車両36-Z1と同じで、36-600形とは前面ヘッドライト、 テールライトなどに差が見られます。 この車両は、電気指令式ブレーキを採用しました。 この時に、36-600形も電気指令式ブレーキへ改造され、36-601が36-R1、 36-602が36-R2へ形式変更を行いました。
 山田線の宮古〜釜石間の運行再開を機に三陸鉄道へ移管され、 現在は、リアス線全線で運転されています。 定期列車にも連結されますので、レトロ車両からの三陸を眺めてみては如何でしょうか。
(2019年9月 T・O)


ブレーキ改造後、形式変更され、36-R1となりましたが、 外観や内装には大きな変化はありません。
2019年6月22日 宮古駅

36-R形が定期運用に使われる時は電気指令式ブレーキのため36-100形等の在来車とは連結出来ず、 36-700形と併結です。 写真は、36-R2で、連結しているのは36-700形です。
2019年6月22日 宮古駅