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(2006年12月 H・T) 小田急の9000系は営団(東京メトロ)千代田線直通用として、1972年(昭和47年)に登場しました。 最初はオールMの4両編成10本が造られ、1973年、1974年に中間に付随車2両を挟んだ6輌編成が造られています。 当初は4両+6両を10本造る予定でしたが、千代田線乗り入れは9本で賄えることになり、付随車2両を新造、 4両編成の間に入れ、4両、6両編成各々9本としています。 千代田線乗入れ用として8M2Tと電動車比率を高くし、ACTを装備、 また車幅も小田急標準2,900mmより狭い2,860mmとなっています。 制御方式は小田急で初めての他励界磁チョッパを採用、発電・回生付き電磁直通ブレーキも備え、 地下鉄線、小田急線はもちろん、40‰の急勾配がある箱根登山線にも対応でき、 急行から各停まで幅広く運用できる欲張った車輌です。 1978年(昭和53年)3月31日から代々木上原から綾瀬まで乗入れを開始しています。 1990年(平成2年)に乗入れ車は1000系に引継がれ、 以降は小田急線内と箱根登山線で運行されていました。2000年(平成12年)、 4両編成車は4両+4両の8連化工事をされ、新宿〜本厚木間の各停運用が主となりました。 2006年3月で定期営業運転を終了し、 5月に秦野から唐木田までの「さよなら運転」を行い引退しています。 この車輌の特徴でもある前面窓を一段凹ませたスタイルから仲間内では「ガイコツ」 と呼ばれていましたが、個人的には気に入ったデザインでした。 しかし、走ると空気を巻き込み、窓ガラスが汚れやすかったからでしょうか、 後継車輌の1000系は出窓スタイルとなりガッカリしてしまいました。 なお、このデハ9001は喜多見検車区で静態保存をされ、海老名検車区で行われ た「2006年 ファミリー鉄道展」に展示されていました。(2006年12月 T・O) |