昭和49年2月 阪急になってから梅田を起点とした京都線には中津駅のホームがありません。
阪急大好き少年のN(勿論、今は立派なオジさんです)に連れられて
中津駅のホームで写真を撮っているとこの701がやってきました。
さて、この701番はトップナンバーに違いないのですが、別に700番が存在しました。
昭和18年10月、運輸行政当局の指導により阪神急行電鉄は京阪電気鉄道を合併し、
新会社名を京阪神急行電鉄としました。
しかし、二社が一つ屋根に仮住まいしていたのが実状だったようです。
と言うのも、昭和23年に新京阪線(現:阪急京都線)用に
この700形(701〜705)を新製すると、翌24年には神戸線用に別の700形(700〜704)を
新製したのです。
昭和24年11月、京阪電気鉄道が分離し仮住まいは解消されましたが、
新京阪線は阪急側に残りましたのでいよいよ一社に二つの700形が存在することとなり、
翌25年に神戸線の700形は800形(800〜804)に改番されています。
さて、この700形はナニワ工機で新製されましたが、伝統の阪急スタイルではなく、
かといって京阪スタイルでもありません。これは運輸省規格形車両として製造されたからで、
貴重品だったガラスの使用量を抑えた窓の小さい設計を特徴としています。
これ以降、京都線用の形式(2300・2800・3300など)は新京阪流に「1」を
トップナンバーとしていましたが、5300系からは阪急流に
「0」をトップナンバーとするようになってしまいました。(2002年7月H・T)