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阪堺電気軌道開業100周年を記念して1965年(昭和40年)当時に復元されたモ161。
2018年10月8日 我孫子道車庫

モ161の行先表示は「貸切」となっていました。
2018年10月8日 我孫子道車庫


 玉電の沿線で生まれ、育った私は路面電車も好きなジャンルです。 TMSに掲載された二井林さんの記事はお気に入りでした。 しかし、当時は路面電車に使える動力や台車が限られ、 手を出さずにすんだのは良かったのか、悪かったのか、微妙な心境ではあります。 今月の友情出演は、阪堺電気軌道のモ161をご覧ください。
(2018年12月 H・T)
 阪堺電気軌道モ161形モ161は、 南海電気鉄道時代の1928年(昭和3年)川崎車両で製造された車両です。 1980年(昭和55年)南海の100%子会社として阪堺電気軌道が設立され、 移籍をしていますが、今なお現役で稼働しており、 今年(2018年)で車齢が90年となります。 古い電車としては、同じ1928年製造の上毛電気鉄道のデハ101がおりますが、 歴史ある車両は、まだ他にいそうです。
 モ161は、平野線(今池〜平野)で連結運転を行うために製造されました。 モ151形と同じ主電動機、台車ながら、 連結器と総括制御可能な間接非自動制御器を装備した車両です。 その後、連結運転が1961年(昭和36年)廃止され、連結器を撤去しました。 1980年(昭和55年)に平野線も廃止され、現在は、 阪堺線(恵美須町〜浜寺駅前)と、上町線(天王寺駅前〜住吉)で運転されます。 大形車で収容力が大きく、ラッシュ時や住吉大社の初詣輸送などで活躍しています。 しかし、モ601形が登場、 さらに阪堺線の乗降客が減少し運用本数を縮小したことから、活躍の場が少なくなっています。 また、非冷房車であることから、6月中旬から9月末ぐらいまでの夏場は運転を行いません。 他形式からの編入を含め、最大16両在籍しましたが、 現在はモ161、162、164、166の4両のみが稼働しています。
 モ161は、阪堺電気軌道開業100周年を記念し、 2011年(平成23年)に1965年当時の状態に復元され、ニス塗り扉や鉛丹色屋根、 室内もペンキを剥がしてニス塗り側壁に再現されています。 そしてほぼ貸切専用となり、定期運用ほとんどありません。
 車齢90年を超え、維持が難しくなっていると思いますが、 車齢100年までは活躍して欲しいものです。
(2018年12月 T・O)


超高層ビル「あべのハルカス」をバックに、芝生を敷きつめた軌道 区間を走るモ355です。高層ビルとモ161形を狙ってみたのですが この時期は運用されていませんでした。
2017年9月5日 天王寺駅前〜阿倍野