S49.2.22 高砂工場
昭和49年当時、客車のグリーン車は冷房化改造も終わり、オロ11・スロ54・スロ
62・スロフ62に集約されていました。しかし、屋根上にクーラーを載せた姿は何
故か安っぽくて好みではありません。そんな時、高砂工場にスロ60が保管されて
いるという情報があり、元祖特ロを是非見たくて大阪に行ったついでに高砂まで
足を伸ばしてみました。アポなしの突撃にもかかわらず見学がかなえられ、その
姿をカメラに収めることができました。
これぞ特ロの風格!と感じる一方、東海道の特急は151系以降しか知らない世代
ゆえC62に牽かれて活躍する姿を実感することはありませんでした。
保存の予定があるとのお話でしたが、85年頃には解体されたようです。鉄道ピク
トリアル700号にも同じアングルの写真が掲載されていますが、荒廃が進む前に
対面が果たせたのは幸運でした。
この高砂工場も今はありません。「ここは木工品の拠点となっており、全国の工
場へ加工材料を送り出している」と誇らし気に解説していただきましたが、半鋼
製車の全滅とともに消え行く運命だったのでしょうか。
このスロ60 1は昭和43年3月に廃車。白黒写真でわかりずらいのですが塗色は青
15号。車体に残る全検標記は41-10高砂工、所属は天リウでした。(2003年12月
H・T)