1970年5月30日 甲府機関区(N.I)
EF13という機関車は薄幸なようだ。
戦時下に生まれ、いわゆる戦時設計で資材節減のため凸型で登場し、
後にEF58の旧車体を譲り受け装備も充実したが、貨物用としてもEF15等の陰に隠れ、
目立たない存在であった。
唯一華やかな舞台は、中央線での旅客列車牽引であった。冬期にマヌ34を従えて
長い客車列車を牽引する姿はなかなかの見応えがあった。
大学時代に山登りをしていたので、南アルプスや八ヶ岳、奥秩父の山々への山行には、
EF13牽引の新宿23時55分発長野行きの各停をよく利用した。
乗車する時間より長い時間、地下通路に並ばされたあげく座れないこともあった。
オハ35の通路にザックを置いて、その上で寝たことも何度もある。
マヌ34を見ながら、「B6のボイラーにトキ900の台枠で・・・」などと呟いているのを
山仲間に怪訝な目で見られたものだ。
この写真はED17を撮しに甲府機関区を訪れた際、たまたまトップナンバーがいたので
シャッターを押したが、撮したことさえ忘れていた。
ドアも開いたまま、文字どおり締まりのない写真でお恥ずかしい。(N.I)
1970年頃 品鶴線で貨物列車を牽き多摩川の鉄橋にさしかかるEF131(S.N)