昭和54年2月25日 京都駅
レムフ10000形は、レサ10000形で編成された高速鮮魚輸送列車
の緩急車です。レサ10000系は昭和39年から量産された重保冷冷蔵
車レム5000形を大型化した車体に、コキ10000系の足廻りを組み合
わせた冷蔵車で、昭和41年と43年にレサ10000形が137両、レムフ
10000形が11両製造されました。台車は空気バネのTR203、二つに
仕切られた荷室に対応し台車ごとに制御する応荷重式電磁自動ブレ
ーキ、ブレーキ管・元空気ダメ管を同時に接続する密着式自動連結
器など、貨車の標準からは高級な仕様でした。
ところで、冷蔵車を模型の視点で見ると、それまで連結器の開放
テコは下作用が標準でした。これは、車体に見える外板が単なる保
冷材のカバーにすぎず強度がない、開放テコの支点を内側の骨格に
取り付けると保冷機能が落ちるからと言われていますね。レム5000形
・レサ10000形・レムフ10000形では一般的な上作用になりましたが、
開放テコの支点は普通と構造がちょっと違うようです。
レムフ10000形には電磁直通ブレーキを構成するためのユニットが
あり、レムフ抜きでは高速で走行することが出来ません。そのため
昭和60年3月の車掌車廃止後も連結されていましたが、鮮魚輸送の
終了によりレサ10000形ともども昭和61年度に全車廃車となりました。
このレムフ10000は、大宮にオープンした鉄道博物館に収蔵され
ましたね。
(2008年4月 H・T)