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コキ70-901 電磁ブレーキ制御装置を持つ。このあたりはコキ100系と同様のユニット単位での構成ですね。
平成21年8月15日 川崎車両所 |
コキ70-902 トラック走行用の渡り板があるところはコキと言うよりもクキですね。 平成21年8月15日 川崎車両所 |
平成20年3月のダイヤ改正では、北海道新幹線の工事(青函トンネル内にレールを敷設)を理由に 「北斗星」が1往復体制に減便されてしまいました。 これにより職を失ったJR北海道のオロハネ、オロネ、オハ、スシ、カニは釧路に疎開留置。 このまま廃車解体かと思っていましたが、ミャンマーに送られることになり、 川崎埠頭に回送されたニュースは記憶に新しいところではないでしょうか。
釧路まで行ったものの満足な写真が撮れなかったので、友人のT・Oと川崎埠頭を探索した帰り道、 JR貨物の川崎車両所に留置されているコキ70を撮ることができました。
コキ70形は、平成3年3月に2両が試作されたコンテナ車です。 背の高い海上コンテナ又は大型のトラックが積載できる多目的仕様で、台枠の床面高さを709mmまで下げています。 この低床化を実現するためには610mmという小径車輪、空気バネを採用したFT11形の台車が開発されています。
通常、連結器高さは880mmですので、床面のほうが低いことになります。 そこで2両1ユニットとして中間を低い位置の固定連結器とし、両端は普通の連結器を普通の位置とするのですが、 トラックを自走で積み降ろしするために端梁を開閉できるような構造とされています。 床面はトラックが自走できるよう走行路は板が張られており、コンテナの緊締金具が脱着式にされるなど、 コンテナ車とは言うものの10t級のトラック積載を優先した構造ですね。
往路と復路で異なった荷を積めれば輸送の効率が上がるわけで、 過去にも色々な組み合わせで貨車も試作されていますが、成功例が少ないのは残念なことです。 このコキ70形も試作に留まってしまい、平成15年度末で除籍されていますが解体されずに置かれています。 なお、低床用のFT11形台車の技術はクサ1000形(こちらも試作で終わる)のFT12形、 コキ71形のFT12A形に継承されています。 また、大型の海上コンテナ輸送にはコキ200形が開発されました。 (2015年5月 H・T)
釧路運輸車両所に疎開した「北斗星」用の客車達。 平成20年11月16日 |
川崎埠頭に並ぶ「北斗星」用客車達。一番手前はオロハネ25 555。 平成21年8月15日 |