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普通車に格下げされ、グリーンマークは消されています。 形式はまだ「クロハ455」。  2002年10月27日 会津若松駅


 国鉄は組織がとても大きかったので小回りを苦手としていましたが、 民営化の声が聞こえ始めた頃だったでしょうか、この欠点を克服すべく 線区ごとの専用車を用意するようになりました。 今回の友情出演はその流れで生れた専用車種の一つをT・Oが紹介いたします。 (2006年2月 H・T)


クロハ455-1を説明する前に、交直流急行形電車の体系を示します。




 1960年代は地方幹線で交流電化が進められ、それまでの客車急行から電車急行へ変わり、 急行形電車が全国で活躍するようになりました。 その後、モーター出力UPや抑速ブレーキ採用、 50Hz・60Hz両用化などが取り入れられています。 ちょうどこの頃学生時代で急行形のボックスシートにはお世話になりました。 1976年夏、仙台から上野まで「学生時代最後の夏だから」と言うことで、 455系の夜行急行「まつしま」のグリーン車に乗ったことは今でも鮮明に覚えています。 しかし、1980年代に入るとスピードUPや国鉄の増収策などで、 急行運用が減り始め特急主体のダイヤへ変わってきます。 特に1985年3月のダイヤ改正で一部の急行を残して特急へ格上げされたため、 この交直流急行形電車は主職場を失い、ローカル列車へ転身します。 さらに特別保全工事で顔つきなどを少し変えたり、451系・453系は717系へ、 471系・473系は413系へと車体を新製して他形式とする更新も行われました。
 このクロハ455-1も、東北新幹線が開業し、 郡山と会津を結ぶ快速「ばんだい」として使用するためクハ455-44から改造されています。 前位、窓3列を固定窓としてグリーン席とし、仕切を隔てて、 後位は簡易リクライニングシートの普通車指定席としています。 しかし、高速バスに押され快速「ばんだい」は1999年12月のダイヤ改正で廃止されてしまいます。 このため、フルリクライニングシートも、形式もそのままですが普通車へ格下げされ、 仙台地区へ移り団体運用などに従事しました。
 最近(2005年)、磐越西線に復帰し、一度消された「BAN-ETSU LINE 455」のロゴも復活し、 活躍しています。(2006年2月 T・O)

← 懐かしい「急行まつしま」のサボ。この頃は、まだグリーン車には青帯がありました。 1976年 夏 仙台駅