トップナンバーアルバム

小山車両センターに留置中のクモヤE995-1です。 車体側面には「NE(New Energyの略) Train スマート電池くん」とあります。
2013年9月9日  小山車両センター


 新しい技術の開発には時間と費用がかかるので体力のある企業が有利です。 ハイブリッド一色の様相になって来た自動車の世界ではトヨタが先を走っていますが、 鉄道の世界でも開発が進められている省エネ技術ではJR東日本が一歩リードといったところでしょうか。
 今月の友情出演は、そんなJR東日本が開発中の試験車をT・Oが撮ってきましたのでご覧ください。 (2013年11月 H・T)
 国鉄分割民営化され20年以上経ちました。JR各社は各々個性が出てきたようです。 例えば、JR東海は東名阪をいかに速くつなぐかに力を入れ、リニア中央新幹線に力を注いでいます。
 一方、JR東日本は新しいシステムを導入することに、力をいれているようです。 ICカード事業(Suica)、駅ナカビジネスなどのビジネスモデルを確立し、経営に活かしていますし、 基礎技術は鉄道総合技術研究所で開発されたと思いますが、その実用化に向けて色々な取り組みを行っています。 無線式列車制御システム(ATACS)採用や自動車のハイブリッドとはちょっと異なりますが、 ハイブリッド列車の導入などです。
 今回のトップナンバーはハイブリッド列車の元先駆者で、 現在は蓄電池車の試験車として活躍しているクモヤE995-1です。 “ハイブリッド列車の元先駆者”と言ったのはこの車輌、2003年の登場時「キハE991形」を名乗り、 ディーゼルエンジンのよる発電と、蓄電池の組合せで動くハイブリッド試験車でした、 この技術は小海線のキハ200形や観光列車HB-E300形に活かされています。  その後、2008年に燃料電池車に改造、クモヤE995形となりました。 さらに2009年に再改造されパンタグラフを搭載、蓄電池駆動電車となったからです。
 架線区間は普通の電車として走り、架線がない区間では搭載した蓄電池を動力源として走行します。 現在、小山車両センターを基地として沿線で試験を行っています。 私も一度だけ小山駅から東北線を下って行くクモヤE995-1を見ました。
 来春(2014年春)以降に、烏山線にこの車両をベースにしたEV-E301系電車を導入することが発表されています。 ところで、この車両E993系のように試験終了後は解体されてしまうのでしょうか。(2013年11月 T・O)


DE10に牽引されて東急車両製造へ運ばれる燃料電池車時代のクモヤE995-1です。 この時は屋根にはリチウム蓄電池を載せています。
またクモヤですがパンタはありませんでした。 燃料電池車はコスト面に問題があったのでしょうか、まだ実用化されていません。
2009年4月29日 大船駅

宇都宮駅構内で試験中のキヤE991-1です。車窓からの撮影でボケてしまいました。    2004年9月10日 宇都宮駅