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暴風雨の中、クモハ413-1を先頭に金沢をかなり遅れて出発した黒部行き。  2006年5月28日 金沢駅


 「十人十色」という言葉があるように、モデラーもコレクター、雰囲気派、 ディテール追求派など色々なタイプの楽しみ方がありますよね。私は既製品拒否 派でして、何かしら手を入れないと満足できません。これは本物に対しても同様 で、自分好みにアレンジしたフリーランスの模型をつくってみたいという願望が あったりします。その一つの構想に地方線区向け2扉化した113系というのがあ ります。後に、その進化形として117系や115系3000番台が登場しましたが、正常 進化形としては413系・717系があります。ところが、この413・717系は気にいら ないのです。何が気にいらないのか、じっと見つめてみたのですが、車端に2 ボックスあるのがいけないようです。ベースが113系なので車端は1ボックスで なければいけません。妄想ばかりで模型をお見せすることが出来ませんので、友 人のT・Oが撮影したクモハ413をご覧ください。
(2009年8月 H・T)

JRになり塗装が変更され形式番号もブルーとなっています。
2006年5月28日 金沢駅
 北陸は今まで仕事で2回ほど出張がありましたが、生れた所でもなく縁もゆか りもない土地なのですが、何故か学生時代からよく行きました。今でも国鉄形車 輌が大切に使われ(?)、ある意味で親しみのある所です。
 この時は学生時代からの友人3人と金曜夜の「銀河」で関西へ、開業したばか りの近鉄けいはんな線などを乗り潰した後、土曜日の夜、金沢へ入りました。そ して、翌日日曜日は早朝から「日本海」、「北陸」などを撮影する予定。しか し、朝起きると大雨で一応朝6時に金沢駅に行ってみたものの、暴風雨のため北 陸線青海付近で抑止中、本来なら午前3時頃停車する大阪行き「きたぐに」も到 着していませんでした。そこで駅構内をウロウロすると413系や417系が止まって おり、トップナンバーがいたので撮った写真です。
 さて、413系は国鉄末期、地域密着型に移行して、地方都市でも短編成で列車 頻度を上げるをダイヤを実施するも車輌が足りず、1986年(昭和61年)余剰と なっていた急行形車輌を改造して生れた車輌です。当時の国鉄は財政悪化で、辛 うじて首都圏では205系を投入出来ましたが、地方まで手が回らず比較的支出を 抑えられる改造による手法を取りました。新車であった417系(1978年登場)や 713系(1984年登場)で採用した両開き扉2ヶ所・セミクロスシートの車体を新 製し、電装機器、台車、冷房装置を再利用、交直流区間の北陸地区に投入しまし た。同じ時期、交流区間の仙台と南九州に投入したのが717系です。ところでこ の形式、いつも迷ってしまうのですが新車は417系、713系、改造車は413系、717 系と一の位が反対となっています。
 これは交直流両用車が415系(付随車は411)→417系→419系(583系改造車)と なり番号が一杯となり、空き番であった413を付与、一方交流車は711系(北海 道)→713系(九州)→715系(583系改造)でまだ番号が付与できたために起った 珍事です。
 また、正面貫通路上の行き先表示窓は塞がれていますが、これは北陸地区では 冬季トンネル内に出来たツララで破損する事故が相次ぎ、471系など国鉄時代か ら北陸地区で使用される車輌は塞がれていました。413系も鉄板をHゴムで支持す る準備工事の形で登場し使用はされませんでした。JRになってから溶接で塞ぐ工 事を受けました。
 このように413系は、民営化されるまでの国鉄の状況、形式付与体系、地域特 性など興味ある車輌となっています。JR東日本からは国鉄形は急速に姿を消して しまいましたが北陸ではまだまだ現役です。
 クモハ717-1もトップナンバーとして掲載しておりますのでご参照下さい。 (2009年8月 T・O)