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クハ205-1を先頭にした「トウ1編成(国鉄時代はヤテ1編成)」。 バックにある構築物は上野東京ライン開業で変ってしまいました。
2004年7月19日 秋葉原駅

山手線撤退後はワインレッドの帯となり京葉線で活躍しました。    2007年1月27日 東京駅


 昭和の終わり頃、町田市の成瀬で暮らしていました。 移り住んだ頃の横浜線は103系でしたが、63年から205系が新製投入され、 空気バネ台車の乗り心地に喜んだものです。 ただ、混雑ワーストの上位常連の横浜線に対して冷房が弱いことが欠点でした。 まだ窓を開ける習慣がありましたので、 中途半端にぬるいと下降窓を下げて開けてしまう人が多く、 せっかくのクーラーが余計に効かなくなるという悪循環に陥ることがしばしばありました。
 そんな205系もJR東日本からは引退の時期になってしまいました。 今月の友情出演は205系からクハ205をご覧ください。 (2015年8月 H・T)
「田」字型窓枠は量産先行4編成のみで、第5編成から
一段下降窓に変更されています。  2007年1月27日  東京駅

 国鉄の205系は1985年(昭和60年)に山手線103系置き換え用として登場しました。 当時、国鉄は電機子チョッパ制御方式の201系を中央線などへ投入、さらに常磐線の地下鉄千代田線相互乗り入れで203系も製造しました。 しかし、電機子チョッパ制御は高価な半導体素子を使用するため、高コストとなり、 危機的な財政状態となっていた国鉄にとって更なる大量投入が出来ず、 近郊型車両(211系)用として開発していた界磁添加励磁制御方式を採用し、コストダウンを図りました。
 登場当時、電機子チョッパ制御から抵抗制御の延長線上にある界磁添加励磁制御採用で「後退した車両」との印象を受けましたが、 新技術を取り入れ「後退した車両」ではなかったのです。 軽量ステンレス車体、ボルスタレス台車、電気指令式ブレーキ採用などで、大幅なコストダウンが出来、 かなりの省エネ車両となったそうです。
 現在は、VVVFが主流となっていますが、界磁添加励磁制御も見劣りするものではないと思っています。 東北線の宇都宮〜黒磯間、日光線、鶴見線、相模線、仙石線で本来の近郊型車両的使われ方をしており、 まだまだ活躍してくれそうです。
 なお、クハ205-1、モハ205-1、モハ204-1は大宮工場に保管されているようですが工場公開でも展示されず、 現在どのようになっているのか、わかりません。
(2015年8月 T・O)