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 天賞堂製品に手を加えたワム50000です。 ワム50000は昭和15〜21年にかけて3645両が作られた15t積有蓋車です。 戦時中に製造されたので鉄材を節約するため側板に木材が使用されています (戦時設計のD51やD52のデフみたいに)。車齢が若かったこともありほとん どの車が2段リンク化されヨンサントウを生き延びたので、70年代の貨物列車 では良く見かけることができました。有蓋車の中では木製の側板と補強のアン グル材により長い貨物列車の中に繋がれていても独特の存在感を持っていまし た(下左側写真)。しかし実際には木材の間からの雨漏りに苦労したようで、 末期には側板を合板張りに改造された車も見られました(下右側写真)。
 モデルは昭和45年頃の製品を基にして レ3209に準じて 手を入れてあります。 下廻りでは台枠側梁の幅を増し、ブレーキテコとブレーキシュウの取り付けを 行いました。上廻りでは屋根のキャンバス張りの表現を行い、浮き出ている ナンバーを削り落としインレタに変えています。レタリング後、全体に強めの ウェザリングを施しました。なお50248番は昭和15年に日本車両で製造された グループの一員です。
 ところで天賞堂のワム50000は同社初の国鉄型2軸貨車として1957年(昭和32年!!) に製品化されています。当初はプラ製だった一軸台車が後にダイキャスト製に改良 されていますが、エボナイト製の車体は現在も当時のままのものが使われています。 既に半世紀近く前の製品ですが、多少手を加えてやれば現在の製品と並べても決して 見劣りしないところはさすが天賞堂というところでしょうか・・・
(2004年10月 S.N)
東北本線の貨物列車に繋がれたワム50000
1973.1  宇都宮〜雀宮

車体外板を合板張りに改造されたワム50000
1975.3  広島機関区

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