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 東海道本線の電機といえばやはりEH10が特に印象に残っています。 先台車もデッキも無い形態からEH10が旧型電機と呼ぶにふさわしいかどうかは別にして、 黒の車体に黄色の帯をまいた姿は、日本の大動脈・東海道本線を 代表する貨物機としての重量感と力強さを感じさせてくれました。 国鉄では唯一の2車体永久連結のEH型であり、電化初期の東海道本線の貨物輸送に 果たした役割には大きいものがありました。 ここではEH10も旧型の仲間として紹介させていただきます。
 一方、旅客列車の方は新幹線の延伸に伴い在来線からは長距離優等列車はどんどん削減され 寂しい状態になっていましたが、EF65やEF61に伍してEF58が活躍を続けていました。 定期の特急列車はEF65にその任を譲っていましたが、EF58は急行列車や荷物列車牽引の 主力機として活躍していました。

重量感のあるEH10 荷物列車を牽くEF58

根府川橋梁を行くEH10牽引の貨物列車 20系客車にはEF58がよく似合う

茶畑が続く金谷付近を行く 14系客車の団臨を牽くEF58

一般貨物を牽いて東京へ向かうEH10 迫力ある面構えのEH10

EH10    昭和29年の東海道本線全線電化に際し、1200tの貨物列車を牽引して関が原の勾配区間を 運転できる強力な電気機関車が必要になり、EH10が開発されました。 揺れまくら式の2軸ボギーの採用、2車体永久連結、先台車とデッキの廃止など、 EF60以降の新型電機への橋渡し的位置付けの形式です。 全長22.3m、重量 118.4t、出力2530kWは、EF66が誕生するまで、わが国最大の機関車でした。
 EH10は64輌が製造され全機が吹田第二機関区と稲沢第二機関区に配置されました。 このうち1から4号機は試作車で、パンタグラフが連結面側に装備されています。
 EF60、EF65の進展に伴いEH10は余剰となり、大型の車体ゆえ他線区への転用もできず、 昭和56年までに全機引退となりました。


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