今昔物語(2)
山手線渋谷界隈 |
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渋谷駅と恵比寿駅のあいだ、ちょうど東横線が山手線をオーバークロスするあたりに 山手線を跨ぐ歩道橋があります。今回はこの歩道橋からの風景です。
1970年当時、今、埼京線や湘南新宿ラインが行き交っている線路は山手貨物線として 東海道方面と東北・上信越方面を直通する貨物列車のメインルートでした。 1973年の武蔵野線開業により貨物列車はやや減ったものの、 しばらくは貨物線としての役割を担い続けていましたが、 1986年に埼京線の乗入れが開始され旅客線への転用が本格化しました。
(2006年6月 T.O)
(A) 1970年8月 低窓・非冷房の103系 |
(B) 2006年3月 貨物線は旅客線に転用 |
写真A(左上)は1970年8月に歩道橋の下から渋谷駅方向を撮ったものです。 写っている線路は左から順に山手線外回り、同内回り、 貨物線下り、同上りで一番右側は引上げ線です。 低窓・非冷房の103系が懐かしいですね。方向幕の行先表示はまだ「YAMATE」です。 ちなみに、線名が「やまてせん」から「やまのてせん」に戻ったのは1971年3月からです。 写真右奥は渋谷貨物駅で、貨車や入換え用のDD13の姿が見えます。
写真B(右上)はほぼ同じ位置から今年(2006年)の3月に撮ったものです。 歩道橋の下は金網で撮影できませんので階段の途中からの撮影です。 昔、貨物駅があった場所に湘南新宿ラインのホームが作られていますが、 線路の曲がり具合などは昔から変わっていないように見えます。 貨物駅や引上げ線のスペースは今も保線用として利用されているようです。
(C) 1970年8月 やってくるのは貨物列車がほとんど |
(D) 2006年3月 成田エクスプレスも走っています |
写真C、Dは恵比寿方向を撮ったものです。 走っている車両の違いもさることながら、 恵比寿駅周辺の変わり様には目を見張るものがありますね。
(E) 1970年8月 空の広さが印象的でした |
(F) 2006年3月 建物に囲まれて空はほとんど見えません |
この歩道橋からは東急・東横線も見ることができます。 写真Eは1970年8月に歩道橋上から渋谷を出て桜木町へ向かう8000系を撮ったものです。 手前に高い建物はなく、広い空の下、高架線上の編成の最後尾まで見ることができます。 現在は歩道橋上に金網が設置されたため金網越しの撮影となってしまいます。 高い建物が増え同じアングルでは空はほとんど見えず、車両も先頭1両がやっとです。 (写真F)
東横線も2012年には東京メトロ13号線との相互直通運転が予定されており、 この区間も地下化される計画です。 そうなれば、この歩道橋から東横線が見えたことすら過去の思い出になってしまうことでしょう。