首都圏・ちょっと気になる貨物列車 |
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2007年の8月から続けてきたこの「気になる貨物列車」シリーズもいよいよネタが尽きてきました。
そういうことで今回が一応最終回です。 最終回にご紹介する列車は5277レと5286レ、通称「米タン」です。 この列車はご存知のように米軍横田基地へのジェット燃料輸送列車で、 米軍鶴見貯油施設がある鶴見線安善と横田基地最寄り駅である青梅線拝島のあいだで運転されています。 拝島駅から横田基地へは専用線が敷設されており、新鶴見のDE10が基地への運び込みを担当しています。 この列車は、日本で唯一の鉄道による定期的な軍需物資輸送を行う列車で、 原則的には平日のみの運転ですが、米軍の都合により平日も運休したり、 逆に有事の際は土日も走る場合があります。 イラク戦争(2003年5月〜)のときは平日はほぼ毎日、土日にも時々走る姿を見ましたが、 最近は平日のみ週2〜3便の運転のようです。 これはこれで世の中平和だということで喜ぶべきことなのでしょうが、 鉄道ファンとしてはちょと寂しい気もします。 川崎臨港地区と中央線方面を結ぶ貨物列車は尻手−府中本町間は武蔵野線経由のものもありますが 5277レ、5286レは下の経路図のようにずっと南武線を走ります。 1967年に起きた米軍燃料輸送列車事故(脚注)の際には、 ジェット燃料のような危険物を積んだ貨物列車が都心を通過することの是非が話題になりました。 危険物の輸送はなるべく旅客線から分離するのが望ましいと思うのですが、 立派な貨物線が存在する区間で、わざわざ旅客線を経由する意図がわかりません。 東京のど真ん中を通らなければ、南武線なら問題ないということなのでしょうか。 われわれの世代では「米タン」と言えばタキ3000を思い浮かべますが、 現在の「米タン」はタキ35000で運行されています。 以前は黒一色だったタンク車も最近は紺や緑に塗られ少しは華やかになっていますが、 「米タン」は黒のままで、なかなか威圧感のある編成となっています。 牽引機はずっとEF64 1000番台でしたが今年(2008年)3月からはEH200に代わっています。 上下列車とも日中に走りますのでどちらも撮影できるのですが、 5286レ(拝島→安善:返空)の方が光線状態が良いため写真は5286レに偏ってしまっています。 (2008年11月 T.O@管理人) |
5277・5286列車運転経路
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米軍燃料輸送列車事故 1967年8月8日1時45分、新宿駅構内で浜川崎発立川行きの米軍燃料輸送列車に、 氷川発浜川崎行きの石灰石輸送列車が衝突、漏れたジェット燃料に引火、爆発・炎上した。 漏れたジェット燃料が大量だったため火勢が激しく、消火に手間取り、2時間近く燃え続けた。 その後の復旧作業にも時間がかかり、中央線は翌9日の始発まで丸一日以上運休した。 衝突の原因は石灰石輸送列車のブレーキ操作の遅れ。 |
5286レのできるまで
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拝島駅で出発を待つ5286レ。EF64と201系との並びももう見られなくなってしまいました。 |
青梅線を快走する5286レ。拝島から立川までほぼ一直線ですので、
この区間での撮影は面白みに欠けます。 |
青梅線に比べ南武線はカーブ区間が多くなります。
南武線・尻手−立川間は上下列車とも電車と平行ダイヤで運行され、途中追い越しや退避はありません。
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南武線・南多摩付近を走る5286レ。このあたりは現在工事中のため、
写真は撮りにくくなってしまいました。 |
黒いタンク車には国鉄色の機関車が似合うと思うのは私だけでしょうか? |
左の写真は尻手駅ホームから鹿島田方向を撮ったものです。
再開発により林立する近代的なビルが背景に臨めます。
上の写真は尻手駅を通過する5286レです。
下り線を横切って南武支線に入ります。 |
機関車の付け替えを行い南武支線へ出発する5277レ。
5277レ、5286レとも浜川崎で進行方向が変わります。 |
工場地帯を走る鶴見線は季節感に乏しい路線ですが、
背後のススキがちょっとだけ秋を感じさせてくれます。 |
EF65の牽く米タン
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