首都圏・ちょっと気になる貨物列車



(5) 3461列車


 今回の3461列車は、残り少なくなったワム80000を連ねた紙輸送列車です。 以前は有蓋車による紙輸送列車は各地で見られましたが、 ご多分に漏れずこの分野でもコンテナ化が進んでいます。 現在、有蓋車による紙輸送列車として残っているのは、 吉原・富士・春日井にある製紙工場から東京・大阪への系統と、 隅田川−焼島間だけになってしまいました。(下図参照)
 東海道系統は、生産地である静岡県南部(富士・吉原地区)と愛知県(春日井)、 消費地の東京、大阪を6本の列車で相互に結んでいます。 各列車の運転区間が微妙にずれていて、貨車の運用がどうなっているのか 気になるところです。
 さて、今回の3461レは下図からわかるように東京地区へ紙を輸送した有蓋車の 空車返送用の列車です。編成はワム80000のみではなく、通常3、4両の コンテナを最後尾に連結しています。紙流通センターが新座にあるためか、 越谷(タ)−新座(タ)間はコンテナだけの場合も多いようです。 牽引機は、越谷(タ)−新鶴見(操)間が高崎のEF65、その先、 静岡貨物までを新鶴見のEF65が担当します。 (2008年2月 T.O@管理人)

有蓋車による紙輸送列車運転経路



2007年12月1日 武蔵野線・東浦和−東川口
冬枯れの見沼田んぼを行く3461レ。 この日はたった1両のワム80000にコンテナ車4両のミニ編成でした。 紙流通センターがある新座からワムの増結があるのでしょうか。

2007年11月24日 武蔵野線・東浦和駅
東浦和では中線に入り電車を退避します。
今日はコンテナだけの編成でした。


2007年5月26日 武蔵野線・西浦和−北朝霞

2006年5月24日 武蔵野線・東所沢−新秋津
武蔵野線は西浦和を過ぎると荒川にさしかかります。 河川敷は公園になっていて、武蔵野線は高架でその公園を跨ぎます。 この場所は、晴れていれば背後にさいたま新都心のビル群が望めます。 新座(タ)からは有蓋車の数が増え、多いときは30両以上のワム80000が連結されます。 有蓋車ばかりの編成は下から見上げると重量感があります。 実際は空車ですから軽いのでしょうが・・・。


2004年4月3日 武蔵野線・府中本町付近

2005年12月17日 品鶴線・新鶴見(操)−鶴見
府中本町で、ちょっとのあいだ南武線と併走します。写真一番手前が南武線の上り線です。
写真を撮った2004年頃はまだ茶色のワム80000が多かったのですが、 最近はほとんどがコロ軸受けに改造された青色になってしまいました。
3461レは新鶴見(操)から品鶴線を通って東海道線に入ります。 品鶴線は、昔は多くの貨物列車が走っていましたが、 東京貨物(タ)や武蔵野線の開業により貨物列車はめっきり減ってしまいました。


2005年7月16日 東海道本線・大船−藤沢
東海道貨物線を走る3461レ。 小田原までは貨物専用線がありますが、 小田原からは貨物列車も旅客線を走ります。 貨物輸送の大動脈である東海道本線では現在も多くの貨物列車が走っていますが、 ほとんどがコンテナ列車になってしまいました。 写真の区間でコンテナ以外の定期貨物列車は この3461レと3363レだけになってしまいました。(上りは3460レと3362レ) そう意味で3461レは特に目立つ存在です。

2006年2月11日 東海道本線・根府川−早川
最後尾のコンテナ車は相模貨物で切り離したのかワム80000だけの編成になっています。 すれ違っている貨物列車は1062レです。



首都圏で見られるもう一本の紙輸送列車
2007年8月8日 東北本線・東十条付近


岳南鉄道
2007年3月14日 岳南鉄道・ジヤトコ前−吉原
もう一往復のワム列車 5789レ。 新潟の焼島にある北越製紙の工場と隅田川間で運転されています。 3461レと同様に数両のコンテナも連結されています。

吉原から製紙工場のある比奈までは岳南鉄道で運ばれます。




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