廃止線回想(6) 相生線





最後の勾配を上るキューロク

 相生線は、石北線美幌から阿寒湖への北の入り口・北見相生までの 36.8kmの路線でした。 旅客列車は気動車で運行されていましたが、 貨物列車が残っており北見機関区のキューロクが牽いていました。 美幌から山岳地帯の方へ向かうので、勾配のきつい路線ではと 思っていましたが、実際に訪れてみると比較的平坦で、 勾配があるのは終点の北見相生付近だけだったような印象があります。 (別に記録があるわけでもなく、25年以上も前の記憶ですので 間違っているかもしれません。)
 貨物の主体は途中の本気や津別などに点在する 貯木場から出荷される原木でした。木の香りが漂ってくるような 貨物列車を牽くキューロクの姿はいかにも北海道らしく、 相生線は私の好きな路線の1つでした。



朝もやの中、美幌駅で給水するキューロク
美幌へ向かう上り貨物


原木を満載した貨物列車
雄阿寒岳、雌阿寒岳をバックに



 終点の北見相生も忘れ難い場所です。 美幌から貨物を牽いてきたキューロクはこの駅で折り返します。 雄阿寒、雌阿寒を臨むこの駅には小さいながらも給水設備や 転車台などがあり、典型的なローカル線の終着駅の佇まいを見せて くれました。 下り列車の到着から給水、方向転換して上り列車の 準備をするまでの一連の作業は見飽きることはありませんでした。 特にローカル線らしく転車台は手押し式で、4人がかりでキューロクを 廻す様子は見ものでした。
 一連の作業を終えたキューロクは出発まで一休みします。 晴れた日に雄阿寒岳、雌阿寒岳をバックに休むキューロクの姿も 絵になる光景でした。
手押しの転車台を押す
前後4人がかりでキューロクの方向転換


給水中のキューロク
上り貨物の準備も整い駅のはずれで一休み



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