◯8642Fの軌跡
昭和62年8月 8500系の最終編成は何故か8連で落成、東横線に配属。
平成元年9月 将来の更新を見据え8637Fのデハ0802-デハ8799-サハ8974をVVVF化改造する間、 8642Fの3両を供出し8637Fは運用を継続し、8642Fは5連で予備車となる。
平成元年11月 VVVF化された8637Fの3両を組込み運用に復帰。
平成2年3月 中間の3両を8637Fと交換して元の編成に戻る。
平成3年3月 VVVFで新製されたデハ0818-デハ0718を組込み10連化し田園都市線に転属。 同時にVVVF化された8637Fの3両と再び交換し、VVVF車を8642Fに集めた。
平成15年3月 半蔵門線は押上まで開業し、東武と3社乗り入れが始まるが、 8642Fは最後まで東武ATSを持たない通称マルK編成であった。
平成31年7月 運用離脱。



デハ8642


デハ8642は渋谷向きの先頭車で8642Fの1号車です。 8000系19-1次車として昭和62年8月に新製。 19-1次車なので戸閉表示灯は縦長のタイプ、 クーラーは9000系と同じものになり補助電源の電圧は440Vです。 東武に乗り入れないことからスカートの取付は平成16年と遅く、 ジャンパ栓の使用時に支障する部分の蓋ない切り欠きの大きなタイプです。 平成17年から行われているクーラーの換装ではキセがステンレスになりました。
平成29年6月12日 高津





18-1次車以降の編成車は袖仕切り、中仕切りとも板状です。 また、乗務員室扉の上、客用ドア上のドアエンジンカバーに化粧板が貼られています。

ドア上のカバーにも化粧板が貼られています。 18-1次車からドアの裏表の両面にガラスの押さえ金具があり、 内側はドア面とガラス面に段差があります。



デハ0710


デハ0710は8642Fの2号車です。 8000系19-1次車として昭和62年8月に新製。 8500系の最終編成ですが、この時点で8000系と8500系の混結は解消されておらず、 デハ8800とは番号が揃っていません。 両端の2ユニットはVVVFではなく、通常の界磁チョッパです。
平成29年8月13日 高津





18-1次車の編成車から戸閉表示灯は縦長のタイプに変更になりました。 行先表示器は窓と中心が揃っています。

非常通報灯、過電流灯は丸型でコルゲートをくり抜いたタイプ。 なお、非常通報灯は全車にありレンズは橙色、 過電流灯はデハ8500とデハ8700だけにありレンズは無色です。



サハ8979


サハ8979は8642Fの3号車です。 8000系19-1次車として昭和62年8月に新製。 左側の妻板に縦長の板状の無線アンテナ、ハシゴがみえます。 車体の下辺は台車上部で下に広がっていますが、 これはバッド社の設計による枕梁部の台枠補強部です。 強度計算の解析技術が進化し補強は不要と判断され、 次の9000系では姿を消しました。
平成29年8月13日 高津


デハ0818


デハ0818は8642Fの4号車です。 8000系21次車として平成3年3月に新製。 デハ0718とユニットを組み8642Fの10連化要員でした。 21次車はこのデハ0818とデハ0718の2両だけです。 8500系の最終増備車であり、デハ8800形のラストナンバーです。 8637F以降はコンプレッサーがHS-20Gに変更になっています。 クーラーは両端の2つだけRPU-4018(12,500kcal)に交換されていますが、 交換する場合は端から交換していくようです。
平成29年8月13日 高津


デハ0718


デハ0718は8642Fの5号車です。 8000系21次車として平成3年3月に新製、デハ8700のラストナンバーです。 デハ0818とユニットを組み8642Fの10連化要員でした。 21次車の2両は、VVVF制御で新製された唯一の存在です。 デハ0818と同様に両端のクーラーが交換されています。
平成27年6月22日 高津



上の画像とは反対側(海側)のデハ0718です。 VVVF制御装置はGTOインバータで8個モーター制御のVM-HR-132形、 モーターは9000系と同じTKM-86形、台車はTS-807Cです。
平成29年7月20日 高津



8637F以降はクーラーが10,000kcalのRPU-2214に変更になり、 前後方向に大きくなったことから、 パンタグラフは小型のPT44S-Dに変更されています。



デハ0802


デハ0802は8642Fの6号車です。 8000系18-1次車として昭和61年9月に新製。 8637Fの一員として新製、平成元年11月にVVVF化改造を受け8642Fに組込まれる。 平成2年3月に8637Fへ戻るが翌年3月に再び8642F移動しました。 VVVF車ですが、M2の場合は外観上の差がありません。 クーラーは1台だけ交換されています。
平成27年6月22日 高津



RPU-2214形クーラーです。 少し背が低く、前後方向に長くなりました。



デハ8799


デハ8799は8642Fの7号車です。 8000系18-1次車として昭和61年9月に新製。 新製時は8637Fの7号車でユニットの相手はデハ0802です。 平成元年にインバータ制御に改造、 主制御器は8個モーター制御のVF-HR-121Z形、 モーターはTKM-89形になりました。 クーラーは両端の2台が交換されています。 8642FはVVVF制御車と界磁チョッパ制御車の混結ですが、 制御器の違いによるギクシャクした動きはほとんど感じませんでした。
平成27年6月22日 高津


サハ8974


サハ8974は8642Fの8号車です。 8000系18-1次車として昭和61年9月に新製。 新製時は8637Fの8号車でしたが、デハ8799-デハ0802とともに編成を移動しています。 8637F以降のSIVは出力電圧が440VのINV-008に変更になっていますが、 外観上は変わらないようです。
平成28年1月4日 高津



8637Fからは天井が平らになり、扇風機に代わりラインフローファンが設置されています。



デハ0809


デハ0809は8642Fの9号車です。 8000系19-1次車として昭和62年8月に新製。 平成13年度工事で車椅子スペースが設置されています。 クーラーの交換が行われておらず、 4台ともRPU-2214が残るのはこのデハ0809と弱冷房車のデハ0710の2両だけです。
平成29年6月23日 高津



M1車とT車の下り方、M2車の上り方の妻板上部に配電盤があります。 8636Fまではこの部分が塗装で古さを感じさせるのですが、 8637F以降と更新車は化粧板貼りになりました。



デハ8542


デハ8542は8642Fの中央林間向き先頭車で10号車です。 8000系19-1次車として昭和62年8月に新製。 平成12年に表示器のLED化、平成16年にスカート取付けられています。 東武線に乗り入れない編成を表すマルKのシールが貫通扉の窓に確認できます。
平成29年6月23日 高津