◯8616Fの軌跡
昭和50年12月 新玉川線開業用に新製されたが、新製車4両で8616Fを組成し、田園都市線に配属。
昭和51年3月 新製のデハ8722を組込み暫定5連化。
昭和51年3月 新製のデハ8717を組込み暫定6連化し、東横線に転籍。 ここまで暫定オールM編成です。
昭和51年7月 デハ8717を新製のサハ8716で置換えて冷房電源を確保。
昭和51年12月 新玉川線の開業祝賀列車に使用する8626Fと中間車3両を交換。 新玉川線の開業用11本のうち8500系だけで編成を組んでいたのは8616Fだけでした。
昭和52年4月 新玉川線開業に合わせて転籍。渋谷〜二子玉川園の折返し運転開始。 中間車3両を戻す。
昭和52年10月 8627Fの新製配置と引き換えに東横線に転籍。
昭和53年8月 半蔵門線の渋谷〜青山一丁目が開業、8626F・8628F・8629Fの3本を営団に貸出。 この時に新玉川線に戻ったと推測されます。
昭和54年8月 田園都市線・新玉川線・半蔵門線直通運転開始。
昭和57年9月 新製車2両を組込み8連化。 デハ8816はユニットの相手をデハ8516に変更。
昭和58年1月 新製車2両を組込み10連化。
平成10年5月 7-2次車と8次車の6両が更新工事を受ける。



デハ8616


デハ8616は渋谷向きの先頭車で8616Fの1号車です。 8000系7-2次車として昭和50年12月に新製。 8616Fは新製から8か月間はサハ無しオールMだったので、 暫くの間は補助電源の10kVAのSIVを持っていたはずです。 8000系の1次車(5連)はデハ8200が2台のSIVを持っていましたので、 このデハ8616とデハ8816が1台ずつ持っていたと思われます。 平成7年に行先表示器のLED化、更に17年3月にはフルカラーになりましたが、 20年3月に前面だけ大井町線の車両と交換して3色に戻ってしまいました。 平成10年5月に更新工事をうけています。
平成29年7月5日 高津


デハ8716


デハ8716は8616Fの2号車です。 8000系7-2次車として昭和50年12月に新製。 新製時以来、デハ8616とユニットを組んでいます。 編成番号と同じ番号のデハ8500、8600、8700、8800、 サハ8900の5形式が揃うのは、この8616Fが最後となりました。 平成10年5月に更新工事を受けています。
平成29年7月11日 高津


サハ8916


サハ8916は8616Fの3号車です。 8000系8次車として昭和51年7月に新製、 新玉川線の開業が近くなったタイミングで新製され、 デハ8717に代わり3号車に入り冷房用電源を確保していますが、 それまではオールMの6連でパンタグラフが4個もある編成でした。 サハ8901からサハ8910の10両は冷房用電源にMGを持っていましたが、 これに代わる大型のSIVの登場を待っていたため変則的な編成になったと思われます。 平成10年5月に更新工事を受け、車椅子スペースが設置されています。
平成29年7月23日 高津



ドアのガラスは、内側の段差を極力少なくするような構造になっています。 留め金が外側にあり、ドアの断面方向にネジ留めされています。 非軽量車は、外側からは留め金の厚みが窓ガラスの縁取りのように見えます。


非軽量車は、窓の外枠の内側に窓枠のガイドが見えます。 窓枠はアルミなので、車体の銀色とは差があります。 窓枠ガイドと窓枠の間の遊びが大きく、 すれ違い時など風圧で窓枠がバタついて大きな音をたてていました。 同じ下降窓でも阪急の車両ではそのような音は出ませんでしたが、 東急も16次車から窓枠を押さえる板バネが追加されてバタつきが改善、 それ以前の車両も追加で取付られています。



デハ8853


デハ8853は8616Fの4号車です。 8000系14次車として昭和58年1月に新製、準軽量車体です。 デハ8751とユニットを組み、8616Fの10連化要員でした。 昭和58年1月のダイヤ改正で10連運転を開始、 10連の第一陣は8616F〜8621F、8624F〜8626F、8628F、 8629Fの11編成でした。
平成29年7月23日 高津



準軽量設計になった13次車からは窓ガラスの留め金がアングル状になり、 側面から見ると留め金が太く見えるようになりました。


13次車からの準軽量車は、窓外枠の四辺にテーパーがつき、 外枠に隠れて窓枠ガイドが見えないようになりました。 模型化には悩ましい構造かもしれません。



デハ8751


デハ8751は8616Fの5号車です。 8000系14次車として昭和58年1月に新製、準軽量車体です。 デハ8853とユニットを組み8616Fの10連化要員でした。 営団8000系の10連化は昭和62年からと遅く、 更にこの時点では全列車の10連化を予定していませんでした。
平成29年8月30日 高津


デハ8844


デハ8844は8616Fの6号車です。 8000系14次車として昭和57年9月に新製。 サハ8952とともに8616Fの8連化要員で、 デハ8816に代わりデハ8722とユニットを組みました。 平成14年3月にCPを取り外しています。 CPは海側、中央林間に向かって左側の側面にありました。
平成29年12月29日 高津


中央林間に向かって右側、デハ8844の山側の側面です。 CPを取り外してもエアータンクは残っています。 一番右側にあるのは蓄電池です。
平成29年8月4日 高津


デハ8722


デハ8722は8616Fの7号車です。 8000系7-2次車として昭和51年3月に新製。 新製時はデハ8816とユニットを組み8616Fを5連化しましたが、 8連化時にユニットの相手が新車のデハ8844に代わりました。 一番右のクーラーキセだけ凹みのある新しいタイプに変わっています。 平成29年6月に重要部検査を受けた直後の撮影なので、 台車、屋根、クーラーキセが綺麗ですね。 平成10年5月に更新工事をうけています。
平成29年7月10日 高津


サハ8952


サハ8952は8616Fの8号車です。 8000系14次車として昭和57年9月に新製。 デハ8844とともに8616Fの8連化要員でした。 14次車なので準軽量車体です。 準軽量車体は屋根のカーブが変更になり、ランボードが省略されています。
平成21年8月1日 長津田工場


デハ8816


デハ8816は8616Fの9号車です。 8000系7-2次車として昭和50年12月に新製。 ユニットの相手は、新製時はデハ8516、翌年3月には5連化用のデハ8722に代わり、 8連化時にデハ8516に戻っています。 昭和51年12月に8626Fが新製されると翌年4月の新玉川線開業の祝賀列車用に デハ8722、サハ8916とともに一時的に8626Fに組み込まれています。 平成10年5月に更新工事を受けています。 また、サハ寄りの妻板に貫通扉が設置されています。
平成21年8月1日 長津田工場



フルカラーの行先表示器です。 各駅停車の場合は行先の駅名表示でしたが、 平成29年11月頃から「各停」の表示が加えられています。 7-2次車なので表示器の位置は窓中心ではありません。



デハ8516


デハ8516は8616Fの中央林間向き先頭車で10号車です。 8000系7-2次車として昭和50年12月に新製。 ユニットの相手は、新製時はデハ8816、 5連化時からは単独のM車、8連化時から再びデハ8816と組んでいます。 平成7年に表示器のLED化、平成15年にスカート取付、 平成17年に表示器がフルカラーとなりますが、平成20年に前面は3色LEDに戻っています。 平成10年5月に更新工事をうけています。
平成29年6月22日 高津