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鈴蘭台車庫公開で展示された「701」。右側のジャンパー栓がクホ761から制御するためのもの。    2007年10月6日  鈴蘭台車庫


 ノーブルジョーカー発祥の70年代あたりまでは、住宅事情もあり16番でも小型の車両に人気がありました。 機関車だとこの701のような私鉄のED級が重宝されたものですが、実物も三岐、秩父、大井川あたりに残るだけですね。 今やフル編成が走る大型レイアウトが珍しくなく、半世紀の時の流れを感じます。
 この701の台車は機関車らしい形態で私が好きな台車です。 よく見ると、枕バネにトーションバーが使われていますね。 トーションバーはコイルスプリングよりもしなやかで乗り心地が良いと言われ、自家用車にも採用例があります。 私は数少ないトーションバーを採用した国産車に乗っていたことがありますが、 残念ながら乗り心地の優位性は感じられませんでした。
 さて、横道にそれるのはこのぐらいにして友情出演をご覧ください。 (2014年9月 H・T)
 最近はICカードの普及で切符を購入しなくなり、連絡改札口はありますが、乗車券を見る機会が減るとともに、 連絡運輸の適用範囲も狭くなりました。 貨物でも連絡運輸を行う鉄道会社は、臨海鉄道を除くと現在は三岐鉄道と秩父鉄道だけとなっています。 昭和20〜30年代は、貨物の連絡運輸が盛んに行われ、各地で「ワム」が止まっており 「全国が鉄路で繋がっている」ことを実感出来る良き時代でした。 大手私鉄のみならず中小私鉄でも機関車を所有し貨物列車が走っていました。 関西圏では、軌間が異なり駅が接していない阪急、阪神、京阪以外の大手私鉄の南海、 近鉄(狭軌路線のみ)で貨物列車を見ることが出来ました。
 今回紹介する神戸電鉄の電気機関車「701」も、貨物用として1949年(昭和24年)に三菱重工で製造されました。 当時の三菱私鉄向け標準機で、大井川鉄道のE10形が同型機として現存しています。 ただ、神戸電鉄には50‰の連続した勾配区間があり、自動ブレーキ以外に、 抑速発電ブレーキと非常時に蓄電池で動作しレールに磁力で吸着する電磁軌条ブレーキが装備されました。 手ブレーキを含め、ブレーキは4重系統と万全です。貨物運用は輸送量が少なく、 1963年(昭和38年)には廃止されましたが前述のように急勾配のため、 モーターカーが導入出来ず、保線などの事業車として残りました。 1978年(昭和53年)にはホッパ貨車のクホ761、サホ762が新製されて、編成を組み、 バラスト散布に活路をみいだしています。
 1990年(平成2年)に事業車の形式を700番台とすることになり、「ED2001」→「701」に改番されてました。
 その後、バラスト散布はモーターカーの性能向上で可能となり、 さらに老朽化が進み残念ながら2010年(平成22年)休車、翌2011年に廃車・解体となりました。 (2014年9月 T・O)


「701」の台車。軸間に電磁軌条ブレーキを装備しています。台車中央部には電磁軌条ブレーキ用テコがあります。  2007年10月6日  鈴蘭台車庫

「701」の相棒「クホ761」(手前)と「サホ762」。   2007年10月6日  鈴蘭台車庫