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近鉄ク1901       昭和50年3月2日  白塚検車区


 「私鉄電車のアルバム」という本をご存知でしょうか。 鉄研の先輩が出版された私鉄ガイドブックシリーズから10年ほど時がたち、 この間の動きを加えて改訂版を出そうという話が持ち上がったのです。 しかし、色々とオトナの事情があったようで、出版社は誠文堂新光社から交友社に換わり、 会社別から時系列の編集となりました。
 編集スタッフは部員から参加者を募ったのですが、私の参加動機はちょっと不純だったかもしれません。 だって、交通費・宿泊費は全額支給、フイルムは現物支給で現像は一括処理だったんです。 そのせいか、関東圏より名古屋・関西圏の取材のほうが人気があったような気がします。
 そんな「取材」で近鉄の白塚検車区に行った訳ですが、編集長役の先輩の方針により、形式写真はブローニー版、 35mmは正面、運転台、室内、台車と役割分担が決められていました。 私は35mmのカメラしか持っていませんので、形式写真は撮れない(撮っても採用されない)のです。 支給品のフイルムですから、目的外の写真を撮るのはご法度なのですが、この程度のカットは許容範囲でした。
 さて、ク1900形は昭和41年に4両製造されています。 モ1800形とMc-Tcを組む名古屋線用の車両です。他に増結用のク1950形が2両います。 なお、増備はラインデリアを装備し1810系と形式が改まっています。
 近鉄は標準設計の新性能車が続々と登場しましたが、ラインデリアの採用やモーター出力の増強で形式が変わるうえ、 線区ごとの形式なので、私にはとても全貌が把握できません。 「近鉄1800系」と聞いて「ああ、あれね」と答えられる人を尊敬してしまいます。  79年から冷房化改造をうけ、モは2個パンタ化されました。 92年から94年にかけて狭軌化のうえ610系(モ610-ク510)に改造、養老線に転出しています。 この時、ク1950は同じく養老線の600系のク500に編入されました。 610系のうち1本はサ6000から改造のサ571を加えた3連で使用、 現在も養老鉄道で4本が健在のようですが、600系に入った元ク1950は廃車になったようです。 (2014年6月 H・T)


近鉄にもこんな木造の車庫が現役だった時代です。   昭和50年3月2日  白塚検車区