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1M車デワ601。抵抗制御のため床下に抵抗器が並んでいます。  2008年11月6日  高幡不動車庫

クヤ911を連結し、京王本線を検測中です。  2008年11月6日  仙川〜千歳烏山


昨今は除雪車が車輌から機械扱いとすることが多く、 除雪車にかぎらずJRも私鉄も事業用車を持つことが少なくなりましたね。 そんな状況の中、京王には事業用車が健在なんですね。 今月の友情出演は京王の事業用車をご覧ください。(2016年5月 H・T)
 大手に限らず中小私鉄でも、保線作業や車両部品輸送、 新聞などの小荷物輸送用として、専用車両を所有していました。 しかし、いつしかモーターカーやトラックへ代わり今ではこれらの車両を見る機会はほとんどなくなりました。
 京王電鉄でも京王線で今年(2016年)、デワ600形が引退をしました。 レール運搬用チキ290を牽引するための車両です。 ただ近年は、総合高速検測車クヤ911の牽引車としても働いていました。
 デワ600形は、それまでレール運搬に使用されていたデワ5000形が老朽化したため 代替車として2004年、 6000系を改造してデワ601(デハ6107)+デワ621(デハ6407)+デワ631(デハ6457)として誕生しています。 デワ601は、中間電動車だったデハ6107改造で、新宿側にクハ6707運転台を取り付け先頭車化し、 単独でも運転可能の様に室内にブレーキ制御装置・エアタンク・発電機を設置、 更に八王子側に簡易運転台が設けられています。 チキ290(291+292)も電気指令対応ブレーキに改造し、 デワ601とデワ621の間に挟みレール運搬を行ってきました。 しかし、改造元となった6000系が2011年に全廃となり、 京王電鉄で唯一の直流電動機使用抵抗制御車となってしまい保守の煩わしさから 9000系をベースとしたデヤ900形を新製、2016年に置き換えられ600形は廃車となりました。
 なお、レール運搬はモーターカー輸送に移管され、 900形はデワからデヤに型式が変更されています。 デワの“ワ”は有蓋貨物車を表す「Wagon」が由来ですが、 デワは貨物運搬車としては使用されず、牽引車として役目を果たしてきました。 前述のように後継車両がデヤとなり、京王から「デワ」の表記が消滅してしまいましたが、 とりあえず事業車が活躍する場はまだまだ続きます。 (2016年5月 T・O)


千歳烏山駅を出発する検測列車。手前のデワ631とデワ621はユニットを組んでいます。  2008年11月6日  千歳烏山駅