トップナンバーアルバム

相模沼田駅を発車する小田原行きクモハ5001(手前)。前面行先表示も通常のものと昔風の行先表示板を掲げています。
2016年10月16日 相模沼田駅

大雄山駅側線に留置中の5501編成(右側)です。登場時はこのような塗装でした。左側はステンレスの5505編成。  2005年8月20日 大雄山駅


 VVVFが普及しはじめた頃、車輪径が揃っている必要があり、 中小私鉄は車輪の転削機を持っていないから導入できないと聞いた記憶があります。 しかし、今や地方鉄道でもVVVFの電車は珍しくない時代になりましたね。 今月の友情出演は、直流モーターの音が楽しめる伊豆箱根鉄道からクモハ5001をご覧いただきましょう。
(2017年4月 H・T)
 伊豆箱根鉄道は、西武鉄道のグループ会社で、駿豆線(三島〜修善寺)と大雄山線 (小田原〜大雄山)の2路線を持っています。前々回、西武鉄道登場時の塗装となった 駿豆線の1300系クモハ1301(元西武新101系)を取り上げました。今回は大雄山線の 5000系クモハ5001を取り上げます。
 現在、この5501編成(大雄山線では小田原方の形式番号が編成番号)は大雄山線 開業90周年記念で「オールドカラー復刻バージョン」に塗り変えられています。  さて、5501編成は大雄山線で使用されていた相模鉄道からの譲渡車(元は国電)を 置き換える目的で、1984年(昭和59年)東急車両製造で誕生しました。当時、新技術 (チョッパ制御やVVVF)が登場し始めていましたが、技術確立していた抵抗制御方式が 採用されています。ブレーキは発電制動併用電気指令方式で、駿豆線3000系と部品 共通化を図っています。ただ、車体長が3000系の20mに対し、18m車となっています。 これは、東海道線をアンダーパスする付近に半径100m曲線があるために、大形化 出来ないことによるものです。 形式は大雄山方からクモハ5001(奇数)+モハ5002(偶数)+クハ5501 で、1996年(平成8年)までに7編成が製造されましたが、このトップナンバー編成以外 ステンレス製です。そして、旅客営業をしていた旧型車を置き換えました。
 大雄山線の特徴で、大雄山駅に併設された車庫で通常検査は行われていますが、 全般検査を駿豆線大場工場で行うため、約2ヵ月に1回、甲種輸送が運転されます。 大雄山で自動連結器に取り替え、コデ165牽引で小田原まで、小田原〜三島間は JR貨物(通常は新鶴見のEF65)が牽引、三島〜大場は駿豆線のデキ32・33牽引で 運転されるので、鉄道ファンにとって面白い路線となっています。甲種輸送運転日は 伊豆箱根鉄道ホームページに掲載されます。 (2017年4月 T・O)


駿豆線の大場工場での全般検査を終え、小田原まで甲種輸送された5501編成。
この時は奇しくも貨物色から原色へ塗装変更されたEF652139でした。   2016年9月22日 東海道線小田原駅