昭和49年3月21日 名古屋客貨車区
軽便好きのK・Hと尾小屋鉄道を訪ねたあと、高山線経由で名古屋に出ました。
高山線を選択した目的は、乗りつぶしともう一つ、「北アルプス」に乗りたかったからです。
名古屋では稲沢機関区、名古屋客貨車区、明治村と廻りましたが、名古屋客貨車区で出会ったのがスユ15形でした。
スユ15形は、昭和47年に火災事故で廃車になったスユ43の補充として翌48年に誕生した護送便用の郵便車です。
この写真を撮った時点では一形式一両で、スユ43形、
オユ12形と共通運用で急行「阿蘇」(名古屋-熊本)に連結されていました。
実質的には護送便用のオユ12・スユ13形の増備ですが、前年に新製されたオユ14形の設計が取入れられ別形式になりました。
車体はオユ12形そっくりですが、車掌室ドアの上部の角にはRがつき、
TR217EとCLブレーキが奢られた足廻りで最高速は110キロとなりました。
その後、オユ12・スユ13形置換え用に38両が増備されていますが、2002から2018はオユ14形と同じ車体断面に、
2019から2039はマニ50形の設計を取入れた車体となり、一形式で三種類の車体を持つにいたりました。
この2001は、新幹線の博多開業で阿蘇が廃止(阿蘇の名前は天草に転用)されると隅田川に移り、昭和54年に汐留、
55年には門司に転属しますが、鉄道郵便の廃止で廃車となっています。(2013年2月 H・T)