トップナンバーアルバム

マニ37 1  車中からの撮影で状態が悪くすいません。  昭和48年8月8日 門司付近


マニ37形は、昭和42年から翌43年にかけて37両が改造されたパレット輸送用の荷物車です。 一般的にパレットとはフォークリフトでの荷役に適した平たいスノコ状の形態なのですが、国鉄の荷物輸送のパレットはこれとは異なります。 移動用の車輪を持ち、周囲を金網で囲ってあります。 このタイプのパレットは、ボックスパレットとか網台車などと呼ばれ、 最近では宅配業者が拠点間の輸送に使っているので目にすることも 多いかと思います。
 43年10月のダイヤ改正では荷物輸送の改善策としてパレットが導入され、 専用車としてこのマニ37形とスニ40形荷物車が用意されました。 さて、マニ37形とスニ40形のすみ分けについては解説書がないのですが、 急行列車の一端に連結など車掌室が必要な場合にマニ37形を、 車掌室が不要な運用には積載量重視のスニ40形を当てたように思います。 マニ37形の塗色を青15号としたのは、これも理由の1つなのでは? と推測しています。 以後、パレット輸送が拡大され、スニ41形、スユ44形、 そして荷貨物兼用のワキ8000形、ワサフ8000形が誕生しています。
 さて、パレット輸送の導入に先駆けて要員の訓練やテスト輸送を行うために 昭和42年の11月から12月にかけて先行試作的に4両のマニ37形が誕生しています。 この4両は片デッキスタイル(荷物車なので実際にはデッキではありませんが) で落成しましたが、翌年の量産改造車からは両デッキスタイルに変更され、 この4両もすぐに両デッキになっています。
 マニ37形も種車別に番代分けされていますが、 その付番については以下の通り若干不自然なところがあります。
  0番代:スロ50形・スロ60形
  30番代:スロ51形
  60番代:スロフ53形
  100番代:スロネ30形
  150番代:スハ32形・スハフ32形
30、60と他ではあまり例のない刻みで分けています。 また150番代は151からではなく150から始まっています。 マニ36形の150が欠番になっていますが、何か関係があるのかもしれません。
 昭和50年3月のダイヤ改正では急行に14系が投入され、 1から4と64の5両が14系併結改造を受けて200番代になっています。 トップナンバーは201になり昭和61年3月に廃車になりました。 (2016年5月 H・T)

マニ37 205 200番代はCLブレーキに変更したほか、車軸発電機と蓄電池を増設しています。
14系からサービス電源の供給を受けられないので車掌室の暖房用に増設したと言われています。
昭和50年10月25日 大阪駅 202レ「雲仙・西海」