先月のマヤ43形と同じくしっかり色が残っているのが嬉しいところです。 昭和62年10月25日 横川機関区
先月のマヤ43形の画像をスキャンしていてED42形が写っていることに気がつき
ました。
横川機関区の公開は「碓氷峠電化75年記念」のイベントで、
静態保存されていたED42 1を走らせることがイベントの目玉でもありました。
が、一緒に行った友人も私もED42にはあまり興味がなく、
また構内が狭かったこともあり、真剣に写真を撮っていなかったので、
ED42 1の存在をすっかり忘れていた次第です。
ということで、信州特集の続編は3年半ぶりの機関車編と相成った次第です。
ED42形と言えばアプト式の機関車として、碓氷峠の主として有名人ですね。
輸入機のED41形をベースにした国産機で、
昭和9年から23年までに 日立、東芝、川崎、三菱、汽車で28両が製造されました。
諸元を見ると、 定格出力510kw、 定格速度13.5km/h、 最大速度25km/h、
ラック区間の最大速度18km/hです。
現代のレベルからすれば出力は小さく、速度も驚くほど遅いですね。
それでもSL時代に横川-軽井沢間1時間15分だった所要時間が電化で49分になったそうです。
しかし、昭和38年10月には新線が完成しEF62・EF63にバトンタッチして全車廃車になりました。
日本語では「アプト式」、「アブト式」の両方が使われていますが、
ドイツ語でAbtですから、ドイツ語読みでは「アプト式」ですね。
さて、解体を免れていたED42 1は昭和42年10月準鉄道記念物の指定を受け、
横川駅の軽井沢側本線脇に保存されました。
後輩達の仕事ぶりを毎日眺める日々でしたが、
昭和62年に碓氷峠電化75年を記念して動態復元され、イベントで構内を走行しました。
なお、ED42形は600V仕様なので、連結したヨ3961の車内に搭載した機器で降圧して供給したそうです。
前年のEF55の復活に続くED42の動態整備ですが、
これもバブル期の一つの出来事だったと言うべきでしょうか、
折角整備したED42もその後は走ることなく平成9年には元の場所に戻り、
平成11年からは碓氷峠鉄道文化むらで静態保存されています。
(2013年6月 H・T)
EF63のヘッドマークには「 ED42形アプト式機関車動態復元記念」と書いてありました。
昭和62年10月25日 横川機関区
高校の鉄研で横川機関区を訪問しました。 昭和47年3月5日 横川機関区