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昭和55年9月    村田駅(現・千葉貨物駅)

 某月某日、「貨車の解体部品が手に入ることになったので、トラックを用意するように」と 某所から指令が入りました。この指令に応えるべく友人から借り出したのはホンダステップバンの ピックアップなる超レアな車です。この車の助手席に体重120kgの師匠を乗せ千葉に向かったのですが、 360cc時代の軽ゆえ車幅もずいぶん狭く、その狭いキャビンでアクセルを床まで踏み、 シフトレバーと格闘してもダンプに煽られて恐い思いをしたのも、今は楽しい思い出です。
 さて、その時に村田で出会ったのが新製後間もないタム9800の一群でした。 このタム9800は老朽化したタム5000(味の素の車が有名ですね)の代替として昭和55年に 20両が製造されましたが、生まれたタイミングが悪かったようで、余剰休車の時期も長く、 あまり活躍することなく平成元年には短い生涯を閉じています。 一見、円筒形に見えて実は中央部の径がわずかに太い異径胴のタンクや、 タンク上の檻のような手すり。TR213Dを初めて使用したこと、今のところ最後の タムであること等々と特徴が多い割には地味な形式ではないでしょうか。(2002年8月 H・T)