客車ファンにとっては寂しい時代になってしまいました。
数は少なくなりましたが、全車の写真を撮ろうとすると、
これはなかなか難しいのです。
そんな撮りづらい客車の1つが「奥出雲おろち号」です。
O・Tが乗りつぶしに行くと言うので、
客車の写真を頼みましたが、引きが取れる場所がないようです。
(2017年7月 H・T)
今回のトップナンバー車両も長年続けている「乗り潰し」途中で撮影したものです。
木次線の乗り潰しで丁度良い時間に「奥出雲おろち号」があります。
今では数少ない客車列車です。
さらに機廻しを省くためスハフに半室運転席を設置、
推進運転を行う珍しい列車でもあります。
早朝、羽田空港を出発し出雲空港へ到着、そしてタクシーを飛ばして宍道駅に。
待つこと10分、「奥出雲おろち号」が出雲市駅側から、
ゆっくりとDE15を先頭に入線して来ました。
出発まで時間があったので、
撮るものがないかと見回すとホームからは離れていましたがキハ120形がいます。
キハ120 1でした。
さて、キハ120形は国鉄の分割民営化で承継したローカル線で運用していた車両、
キハ20などが老朽化、置換えるためJR西日本が発足後初めて製造した気動車です。
元は新潟鉄工所が開発した16m級軽快気動車(NDCシリーズ)で、
第三センターでも同型車を見ることが出来ました。
ところでこの「キハ120 1」
トップナンバーなのですが最初に製造されたグループではありません。
1991年(平成3年)に初めて登場したのはキハ120形200番台車です。
8両が製造され、越美北線と木次線に投入されています。
200番台としたのは、試作的な意味合いがあったのではないかと推測しています。
運用結果を踏まえ1994年(平成4年)には0番台が登場しました。
200番台との差は
1.車体 : 普通鋼製 → ステンレス製(前面は普通鋼)
2.車体幅 : 2,700mm → 2,800mm
3.客室窓 : ユニットサッシ → 1枚固定窓
4.座席 : セミクロスシート → ロングシート
5.エンジン出力 : 250PS → 330PS(メーカーはコマツで変更無し)
となっています。
しかし、ロングシート座席は不評だったらしく、
翌1995年(平成5年)に200番台と同じ仕様のセミクロスシートとした300番台が登場しています。
キハ120形も製造後25年以上経ち、
第三セクターなどに投入された同世代のNDCシリーズ車は次々と退役しています。
現在はキハ120形で退役した車両はいませんがそろそろ後継車両登場でしょうか。
(2017年7月 T・O)
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