トップナンバーアルバム

1号車は東京方の先頭車で、通信、電力、信号の検測と前方監視です。 上越新幹線の検測を行うため東京駅を出発していきました。
2008年 9月 8日 東京駅

運転室斜め下には大きく「East i」のロゴがあります。
2016年 1月23日 仙台駅

2号車は通信と測定用電源を搭載しています。
2008年 9月 8日 東京駅

3号車は軌道検測車で、軌道検測用台車を履き側扉がありません。 また、従来は軌道検測車は921形を名乗っていましたが、 この形式から他車と同じ926形となりました。 なお、この車両は他車両より床面高さが100mm高くなっていますが、 外観からはその差は分かりません 。
2016年 1月23日 仙台駅

4号車は電力測定を行い、屋根にはパンタの観測ドームがあります。
2008年 9月 8日 東京駅

5号車は電力、信号を測定を行います。6両編成中最も軽く、空車自重が42.1tです。
2008年 9月 8日 東京駅

6号車は新函館北斗、新潟、金沢方の先頭車で、測定項目は1号車と同じ電力、 信号と前方監視で、1号車とは走行方向で役割分担をしています。 検測装置設置のため、側扉がなく進行方向に向って左側は側窓が1個と独特な外観をしています。
2008年 9月 8日 東京駅

6号車の進行方向に向かって右側は、このような窓配置となっています。 1号車と似ていますが、車体後方にある側窓が4個で、1号車の5個とは異なっています。
2008年 9月25日 大宮駅

通常は、軌道試験にはE926-3が組込まれていますが、2008年9月8日と25日の検測ではE926-13でした。
2008年 9月 8日 東京駅

特殊な構造をしている軌道検測台車です。写真は、E926-13です。 なお、E926-13の号車番号は「13」でした。
2008年 9月 8日 東京駅


 新幹線の検測車といえばドクターイエローが有名ですね。 最近は鉄道ファン以外の普通の人にも知名度が高くて驚いてしまいます。 一方、JR東日本は在来線も含めて検測車の塗装に黄色を使わなくなりました。 これって某JR他社と同じ色を避けたのかな?なんて勘ぐってしまいます。 今月の友情出演は、そんなJR東日本の新幹線を守る検測車をご覧いただきましょう。
(2020年10月 H・T)
 今回のトップナンバーは、JR東日本が新幹線の電気設備、信号、 線路の検測用として保有する事業車を取り上げました。 東北・北海道新幹線、上越新幹線、北陸新幹線の検測は10日に1回実施されていますので、 ホームに停車している姿を見たり、乗車中にすれ違ったなど遭遇された方が多いのでは、と思っています。
E926-13の形式番号です。車端に表記されています。
2008年 9月 8日 東京駅
 東北新幹線の電気・軌道検測の歴史は、小山先行試験区間に、1978年(昭和53年) 東海道新幹線鴨宮試験区間でも活躍していた軌道試験車921-1が移り、試験を開始、 1979年には、同じく東海道新幹線から全国新幹線網対応で電源周波数50/60Hz 車の961形が大井にある車両基地から陸送されたことから始まります。 1979年12月7日に961形は小山試験区間で電車世界最高高速度記録 319km/h(当時)を記録しています。 この961形は電気・軌道総合試験車への改造が考慮されていましたが実現せず、 また開業後の東北新幹線を走ることなく1990年(平成2年)廃車されました。 先頭車の2両が新幹線総合車両センターで静態保存をされています。 正式な電気・軌道総合検測車は1979年に製造された200系の原型の一つである925形0番台(S1編成)となります。 さらに東北・上越新幹線用試作車962形を改造した925形10番台(S2編成)を投入して、 2編成体制で検測を行っていました。 しかし、車両の老朽化が進み、また日中検測が基本で、 ダイヤに影響がないように営業列車と同じ 275km/h(当時)での走行性能が求められ、 山形新幹線、秋田新幹線のようなミニ新幹線が開業したことから、 2001年(平成13年)に在来線の車両限界に合わせたE3系をベースに、 このE926形が開発され6両編成1本と軌道検測車の予備1両が東急車両製造で製造されました。 アルミ合金車体で、将来を見越し、電源周波数は50/60Hz両用とし、碓氷峠30‰対策も行い、 ミニ新幹線となった在来線も検測するために電気方式はAC25,000V/20,000Vとなっています。 新幹線総合車両センターに配置され、JR東日本管内の東北、上越、北陸、山形、 秋田各新幹線と直通乗り入れを行うJR西日本の北陸新幹線、JR北海道の北海道新幹線も検測します。 1編成しか製造されなかったため、検査等で走行できない時は、 車両情報制御装置と無線装置を改造したE2系トップナンバーのN21編成にE926-3またはE926-13 を組込み電気・軌道検測を実施しました。 しかし、E2系も老朽化が進み、N21編成が廃車となるとE926-13が廃車されてしまいました。 現在は、計測機器を営業車両に搭載して、検測を行うようです。 さらには、営業中の車両にモニタリング装置を搭載し、 常時架線や軌道を監視する技術も開発され実用化されています。 ベースとなったE3系も、秋田新幹線用の0番台は既には引退しており、 山形新幹線に投入されたE3系2000番台も後継のE8系が発表されました。 しかし、モニタリング装置だけでは、検測項目全てをカバーすることができず、 検測車は残すとJR東日本の株主総会で社長が述べていましたので、当分の間その姿を見ることはできるようです。
 愛称「East i」はJR東日本の「East」、「i」は「intelligent」・「integrated」・「inspection」を表しています。 塗装が変更され、925形の黄色に緑帯から、白色に赤帯となりました。 2002年登場の在来線検測車、E491系、キヤE193系にも採用されJR東日本の検測車標準塗装となりました。
(2020年10月 T・O)