トップナンバーアルバム

博多行きの「500系のぞみ」。手前が1号車521-1となります。 500系の試作第1編成と量産第2編成の前頭部脇に計測用の小さい丸窓がありました。
2004年4月10日 京都駅

京都鉄道博物館に展示された521-1です。 隣接し設置された車両限界ギリギリに作られたクハネ581-35 と比べると車高がかなり低いことが分かります。
2017年6月30日 京都鉄道博物館



 2月に東急8500系のコーナーをスタートさせて以来、 手が回らないので、友情出演を毎月2本お願いしています。 そんなことで、今月の友情出演はコキ107-1と521-1の2本です。
 新幹線の車輌の中で「一番格好いいのは500系」と多くの人が思っているのではないでしょうか。 にもかかわらず、早くに東海道から姿を消すことになったのは残念ですね。 私は東海道からの引退の話を聞いて500系の列車を選んで乗ったことがあります。 確かに窓際の席は丸い車体が足元に喰い込んでくるので狭い感覚はありましたが、 300系などの素っ気ない内装に比べたら、 旅の愉しさを演出していると感じたものです。
(2018年9月 H・T)

500系の側面。かなり丸味があります。  2004年4月10日 京都駅

 10年以上前ですが、京都から岡山まで「500系のぞみ」に乗ると1号車3A席でした。 先頭に近く天井が低くなり始めており、さらに丸い車体で、 席に座ると圧迫感があった記憶があります。 1、2列目は天井がもっと低くなり網棚がなく、荷物置場を床上に設置していました。 さらに、1、16号車の運転室側乗降扉がないとアナウンスしていました。 恰好良いのですが、居住性はイマイチというのが、乗車した感想です。
 さて、500系は、関西と九州を結ぶ航空機に対抗するために、 JR西日本が高速化を目指して開発した車両です。 1996年(平成8年)に、1〜6号車川崎重工、7、8号車 近畿車両、11、12号車日本車両、9、10、13〜16号車日立製作所で製造されました。 各種試験後、1997年3月ダイヤ改正で山陽新幹線区間(新大阪〜博多)の「のぞみ」に投入され、 300km/h運転で新大阪〜博多間を当時最速の2時間17分で走りました。
 しかし、300系と異なる車両定員で共通運用が出来ないことや、 先述した居住性に難があったり、 軽量化でアルミ合金の銀ロウ付けハニカム構造を採用し製造コストが高かったこともあり、 9編成のみの製造で終わり、 JR東海とJR西日本が共同開発したN700系に引き継がれました。 2010年に「のぞみ」運用から離脱し、このトップナンバー編成を除く8編成は16両から8両へ短縮され、 山陽新幹線区間の「こだま」に転用しています。
 トップナンバー編成は除籍後、博多総合車両所で保管されていましたが、 中間車は全て解体、この521-1は京都鉄道博物館で保存展示、 16号車の522-1は日立製作所笠戸工場へ搬出され、保存(非公開)とされました。
 余談ですが、500系というと騒音低減で開発されたT字型パンタがあります。 「こだま」転用時に消滅してしまいましたが、展示して後世に残して欲しいと思っています。
(2018年9月 T・O)