ワム90000(KTM) (1/80・16.5mm) トップページ   目次ページ



 
 たしか中学生の時だったと思います、 中村精密からプラ製の貨車が発売になりました。 その出来栄えだけでなく、透明なプラスチックケースに入っており、 従来の貨車の製品とは一線を画すシリーズ!と買い求めたものです。 しかし、貨物列車の中で中心的役割を担うワム23000は、 少し背が低く横に長くてプロポーションには不満がありました。

 時は流れ、今度はカツミからワム90000のプラ製品が発売になりました。 この製品はプロポーションが良いところが気に入り、 何度か買い増ししていつしか9両になっていました。 中村精密のワム23000に代わり 「さてこのワム達を仕上げよう」と手をつけたのはいったい何年前のことだったでしょうか。 ようやく9両揃って仕上げが完成しました。

 
 プロポーションが良いカツミのワム90000ですが、 やはり不満もあります。 不満点の改善とディテールアップを整理すると
1) 屋根のキャンバスの継ぎ目を表現
2) 屋根にはスエード調塗料を使用
3) 一体モールドの手すりは削り落として真鍮線とする
  (ワム90000の側ブレーキは片面なので側ブレーキ用の手すりが両面にあるのはエラーです)
4) ドア周辺の手すりはそのまま
5) くろま屋のインレタを使用
6) 少し腰が高いので床板上面をやすって車高を落とす
7) 床下にはエコーモデルの側ブレーキ、ブレーキシリンダ、ブレーキシューを取り付け
8) 軸箱表面にある丸いモールドは削り落とす
たいした工作ではありませんが、同じ作業を9回繰り返していると、 頭の中では水前寺清子の365歩のマーチがエンドレスで流れながら、 少し忍耐力が養われたような気がします。 完成は平成30年11月でした。
(2020年11月 H・T)


屋根のキャンバスの継ぎ目(重なりあったところ)は0.5mm幅のマスキングテープを貼って表現しました。 数が多いので紙で簡単な治具を作ってみました。 画像右側の段々を車端に合わせて貼りすすめ、 半分まで貼ったら左右をひっくり返して反対側から貼っていきます。


真ん中のキャンバスは少し幅が狭くなります。


屋根はキャンバスを表現したざらついたモールドでしたが、 スエード調塗料の表現が勝ちました。


実物は全検直後の艶のある塗装から徐々に汚れていくので、 同じように艶ありの黒の上にウエザリングマスターで汚れをつけてみましたが、 なかなか思うような色合いにならず苦労しました。 艶消しの黒から始めるほうが良いようです。
ワム23000を2段リンクに改造してワム90000に編入した車は、 元番号に10万を足した番号なのですぐに見分けがつきます。


ワム90000の台枠は溝形鋼(チャンネル材)ですが、製品にはその表現がありません。 溝形鋼に見えるよう下端に帯材を追加してみましたが、 強度に不安があること(プラ材に真鍮帯材を接着)、 手間の割には目立たないようなので1両だけの試行としました。





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