マシ29 2002 (1/80・16.5mm) トップページ   目次ページ




 平成28年、九州のMAXモデルからダブルルーフのスハ32系が発売になりました。 「工房ひろ」の月井さんから設計を担当されていることを聞いていたので期待していたのですが、 秀逸な車体の表現、屋根の嵌め合わせなど期待を裏切らないキットです。 また、妻板の縦樋など細かな部品はお好みで加えてくださいというスタンスで、 ポンチマークのみという構成も好感が持てます。 一方、窓ガラスやベンチレーターなど車体に比べて残念な出来の部品があるのも事実です。

 それまで第三セクターの気動車やJR九州の電車を製品化していた MAXモデルから全く路線の違うダブルルーフの客車が製品化されたのは驚きました。 これは、アダチのキットを組んでも蒸気機関車単機では牽けない、 他社から出ないなら自社でプラ製品を、が動機だったそうです。 店主の目的が戦前の特急列車なので、製品も戦前の姿が基本ですね。
 私はダブルルーフが混ざった戦後の編成に魅力を感じているので急行編成用にスシ37740 を選択しましたが、戦後の姿、それは素組みではすまされないことを意味するのです。



 スハ32(32600)形の一族を眺めながら、冷房付のマシ29 2をプロトタイプに選択しました。 戦後の整備では車端のデッキ風の部分を埋めた車が多いのですが、 工作の難易度から板を貼ったタイプとしました。 しかし、後日になり扉埋ヘッダーあり、扉埋ヘッダーなし、の二種類のキットがラインナップに加わっています。 そのほか、明かり窓を埋め、ベンチレーターは板厚が薄く見えるよう加工、 屋根上には空調機器の出し入れ用の蓋をつけています。 また、最大の欠点である窓ガラスは表、裏とも耐水ペーパーで平滑にやすり、コンパウンドで磨いてあります。 これも今は高価ではありますがモデル倶楽部からアクリルの切削パーツが発売になっています。 床下機器はキット付属のパーツは使えないものが多く、エコーモデルやフジモデルのパーツを使用しました。



 このMAXモデルの製品に合わせてモデルシーダーから室内セットが発売になりました。 最近はプラ製品だけでなく金属製の製品も室内まで作り込んでいるのが普通になってしまったので、 これを採用しましたが組立・塗装には結構難儀しました。



 室内を作ると欲しくなるのが照明ですね。 照明にはIMONのパネルライトを使いました。 パネルライトは車体側に固定としたので、 接点にはKadeeカプラーの予備バネを採用しましたが、 予備も少なくなってきたので、次は違うものを考えないといけません。



 最近の車内は明るくなりましたが、白熱灯の時代は新聞を読むのも難儀するぐらいの明るさでした。 点灯試験の結果は、ほのかな明るさです。 模型では見栄えも必要ですが、これで良しとしました。



 明るい室内での運転では点灯していることを見落とす程度の明るさです。 全車に照明を入れての夜行列車は郷愁をそそりますが、 室内と照明を加えると工作が倍ぐらいになるのが悩みの種です。



 車体のぶどう色2号が少しくすんだ色なのが不満ですが、 いい感じになったと自画自賛。 なお、実物よりも少し生きながらえた想定として電気暖房付の2002としました。 完成は平成30年3月でした。
(2021年7月 H・T)





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