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製作のきっかけとなった橋本真さんの記事「ナローの魅力(1)」と記念撮影
*バックは月刊鉄道模型趣味221号より 機芸出版社許諾済2014


 自称客車ファンの私ですが、学生時代には軽便にも手を出した事があります。 まだ「とれいん」も「RMモデルス」も創刊前のこと、TMSの発売日を首を長くして待っていたものです。 またバックナンバーを積極的に集めていました。その頃に掲載された橋本真さんの祖師谷軽便に惹かれるものがありました。 今と違い資料も少なかった当時ゆえ記事に掲載されたイラストに物指を当てて採寸、でっち上げたのがこのガソ7です。 この旧作の動力を現代の製品に換装したのでご覧いただくことにしました。
 沼尻のサハは単端を付随車化したもので、単端時代の原型がこのガソ7なんです、 というストーリーです(実際にはサハは最初から付随車として製造されていて、どちらのサイドもドアが右側にあります)。
 上回りはペーパー車体に木製屋根で構成、問題は下回りです。 当時、普通に手に入る一番小さいモーターはキャラメルモーターでした。 今と異なり流用できるNゲージ製品もなく、動力源は選択肢もなくこれで決まりです。 ここで動力をいかにして車輪に伝えるか、が大きな壁でした。ギアボックスを自作する技術がなかったので、 プラモデルのギアボックスを使いピコのNゲージ2軸貨車用下回りと組み合わせ、 ギアボックスと車軸の間は輪ゴム駆動としました。
 輪ゴムは真円ではないし、貨車の下回りですから軸受けはピボット。こんな構成では満足に走る訳もなく、 軽便の興味が薄れたことから長い長い眠りにつくこととなりました。
撮影は昭和49年9月なので、この直前に完成したのでしょう。


公開するのは恥ずかしいのですが、オリジナルの動力です。
 メンバーのN・Iが軽便祭に参加、初めて軽便祭に行ったところ、昔と違い走行性能が向上している9mmナローに刺激を受け、 旧作の更新に手をつけることに。更新にあたり動力ユニットを色々と探したのですが、軸距が一致するものは手に入りませんでした。 次善の選択として「Bトレインショーティー専用動力ユニット機関車用」を使用することにしました。 軸距が少し長いのは我慢、機関車風に板台枠に軸受けが表現されていますので、 台枠部分を単端風に切り欠いてあります。
 ついでにエコーのパーツからヘッドライトと朝顔形カプラーを取付。 屋根にはスエード調塗料を吹いてあります。これで雰囲気も現代的になったような。
 余談になりますが、このTMSの記事をあらためて読むと時間の差を感じます。 日本の軽便を模型化するにあたり、縮尺と軌間が比較検討されています。 面白いのは、ガニ股の16番に揃えて軽便の軌間も広くする案も提案されていました。 その後、軽便の製品化は1/87が主流となりましたが、個人的には1/80の16番と共存できないのが不満でした。 最近になり1/80の猫屋線シリーズが好評のようで、今後の進展が楽しみです。
(2014年11月 H・T)(2019年6月 テキスト改訂・画像追加)


TMS882号に掲載された北又沢森林鉄道を見学できることになり、ガソ7を持参しました。 自宅では試運転程度しか動かせなかったので、すばらしい風景の中を走る姿に大満足でした。

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