昭和50年頃に発売になったしなのマイクロのEH10一次型のキットを組み立てたもので す。このキットはなかなか意欲的な内容で、2個のモーターにより全8軸を駆動する構 造になっていました(下部写真参照)。しかし前後の台車間はゴムジョイントにより ウォーム軸の回転を伝える構造になっていたため、特にカーブでの走行が不安定でし た。ユニバーサルジョイントに変えることも考えてみましたがスペース的に困難で、 結局良い解決法が見つからず長い間第1種休車の状態が続いていました。10年ほど経っ た頃カツミからEH10が発売になり、しばらくしてそのギヤーボックスと車輪のセット が分売されました。そこでこれを利用してEH10 2の復活を企てました。
しなのマイクロのダイキャスト製台車はなかなか感じ良くできていたのでこれはその まま使いたいと考えました。元々の構造はインサイドフレームで動輪を支持していた のでこの台車はダミーで軸受けに車軸ははまっていませんでしたが何故か軸受け部に はちゃんと穴が空いていました。しかしそのままではMPギヤー方式の車軸を支持する には不安があったので、穴を広げてエンドウのプレーン軸受け用のブッシュを圧入し ました。ここでまた問題が発生しました。しなのマイクロの台車はカツミの台車よ り1.5mmほど軸距が長かったのです。いろいろ対策を考えましたが、結局駆動軸を一 旦切断して真鍮パイプで繋ぐことで軸距をのばすことにしました。幸いこのギヤーボッ クスは車軸にヘリカルギヤーで駆動力を伝えるためこの駆動軸はウォーム軸の様には 回転があがらないのでこんないい加減な方法でも騒音が出ることはありませんでした。 この改造によりEH10 2はめでたく第1種休車が解除され現役に復帰することになりま した。余談ですがこのこの改造でお役ご免となったしなのマイクロ製の缶モーターは、 その後D6220に移植されました。(2003年9月 S.N)