廃止線回想(3) 宮之城線



 列車番号や時刻は忘れましたが、早朝、西鹿児島を出る鹿児島本線の上り旅客列車の 最後部にC56が連結されているのを鹿児島本線で写真を撮っている時に目撃しました。 補機が必要な区間でもないし、何でC56がぶらさがっているのか不思議で、後日調べた ところ、鹿児島機関区のC56が宮之城線に出稼ぎに行くための回送ということが わかりました。
 宮之城線は鹿児島本線・川内から山野線・薩摩大口までの66.1kmの路線で、 この線の貨物列車を牽引するための回送でした。当時、C56は吉松機関区にも 配属されていましたので、なんでわざわざ鹿児島からもって行く必要があったのかは、 いまだに不明です。そんなことで、宮之城線は私にとってちょっと気になる線区でした。



宮之城線へ向かうC56 鹿児島本線薩摩松元駅
出発を待つC56   川内駅


 1970年その宮之城線に撮影に行きました。早朝、鹿児島本線の伊集院付近で撮影を してからの訪問です。川内についてみるとC56156が貨物列車を従えてホームに 停車していました。朝、C61の牽く列車の後ろにぶらさがっていた時は、何とも申し訳 なさそうに見えましたが、こうして列車の先頭に立つと心なしか凛々しく見えるようです。



C56156の牽く貨物列車

旅客列車は気動車の単行
帰りの貨物列車はC56逆行


 ホームで何枚か写真を撮り、先行する気動車で宮之城線へと入っていきました。この時は 撮影場所を特に決めていませんでしたので、ロケハンしながらの乗車です。 山深い路線をイメージしていましたが、実際に乗車してみると思いのほか開けた場所を走った のが印象に残っています。
 何が気に入ったのか薩摩山崎駅で下車し、さきほど川内駅でみた下り貨物列車と、折り返しの 上り貨物列車を撮影しました。
 当日の撮影記録によると、このあと鹿児島に戻り鹿児島機関区を訪問しています。 1日で鹿児島本線、宮之城線、鹿児島機関区と駆け足でまわった感じですが、それなりに充実した 1日でした。



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