廃止線回想(8) 広尾線





折り返しの合間の一休み

 広尾線は帯広から広尾までの84.0kmの路線でした。 広尾線という名前より、幸福駅のあった路線と言った方が ご存知の方が多いかも知れません。幸福駅のあったあたりは 本州からの開拓者によって開かれた地域で、幸福以外にも 大正とか愛国と言った駅がありました。愛国から幸福行きの 切符が一時期ブームになったことをご記憶の方も多いと思います。 (愛の国から幸福へという意味らしい。) もっとも、幸福駅自体は線路の片側にホームのある何の変哲も ない無人駅で、周りにも人家は少なかったと記憶しています。
 広尾線の旅客列車はすべて気動車でしたが、キューロクの 貨物列車が運行されていました。地形は比較的平坦で、路線の 大部分は開墾された畑や牧場の中を走っていました。
 終着駅の広尾もこじんまりした感じの良い駅でした。当時の ローカル線の終着駅では定番の、数本の引込み線、給水塔、 転車台という設備が揃っていました。広尾は海に近く風が強い ためなのか、防風林と思しき立ち木が印象的でした。



防風林が印象的な広尾駅での一コマ
帯広へ向かう上り貨物列車


牧場の中を行く
夕日をあびて帯広へ向かう



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